「お邪魔しまーす」
ラーメンを諦めてあたしに会いに来てくれた彼女を家に招いた。
初対面でしかも友達でもない他人を家にあげるなんて、普段なら絶対しないのにな。なんて思う。
彼女が「お腹が空いた」と言っていたからオムライスをご馳走すると、子供みたいな顔して頬張ってくれたからなんだか嬉しくなった。
「あー美味しかったぁ」
にこにこ笑うゆかちゃん。
バーでの雰囲気とはまったく違う。
「…ねぇ、なんでゆかにメール送ったの?」
と、思いきや突然あの笑顔を浮かべた。
気付けば距離も詰められている。
「もしかしてゆかにキスしたいと思ったから?それともキスしてほしいかったから?」
「え…」
「言わなきゃゆかがするから」
口を開こうと思ったら出来なかった。
唇に柔らかい感触と目の前には閉じられた瞳。
「…ふふ、ごちそうさま」
「……」
「可愛いね、“あ〜ちゃん”」
にこりと笑う彼女は、ひどく妖艶に思えた。
最終更新:2009年06月17日 11:13