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今日もこれで終わり。昨日と同じ様に手錠をかけられ眠る。こんな事せんでも変な事なんて…するかも。
「あ~ちゃん、今日もちゃあぽんに襲われるかもよ?」
そう言うと、あ~ちゃんはビクッと跳ねた。あれはもう一種のトラウマだよね。
「…その時は助けてよ?」
あ~ちゃんが弱音を吐くなんて珍しい。
「えーどうしよっかなー」
「たすけてよ?」
ちょっとふざけただけなのに、この殺気。分かってますって。助けますよ。

◆◇◆◇

灯を消して静かな暗闇の中、あ~ちゃんがポツリと呟いた。
「明日で、最後なんだね」
そうか、忘れてた。明日の夜には、体が元に戻るんだ。長い様で短かった。なんか少し寂しく感じる。
「のっちの体も悪くないんだよねーモテるし」
そう言われて嬉しいけど、皮肉っぽくてなんかチクチクする。
「…モテないよ」
「あ、今日休み時間とかにラブレター三枚くらいもらったよ。のっちに言うの忘れとったわ」
知らなかった。そーゆーのは早く言ってよ。
「なんて書いてあった?」
「うーん…好きだから付き合って下さいとか書いてあったよ」
「うひゃー困るな~」


なんかテンション上がる。まず好きとか言われて嫌な思いする人なんていないよね。なんか知らないけどモテるんだよね。うち女子校だけど。お母さんとお父さんの遺伝子に感謝だな。
「…ねぇ、のっち」
一人でニヤニヤしてると、あ~ちゃんが静かに名前を呼んだ。また調子乗るなとかって怒られそう。ひーごめんなさい。
「のっちは…あ~ちゃんの事が好きなんよね…?」
いきなり何て事を聞くんだこのお姫様は。一気に恥ずかしくなってニヤニヤが収まった。あ~ちゃん、今更だよ。
「うん…好き」
likeではなくloveな方の感情。間違ない、ずっと君はのっちの太陽でした。のっちに光を与えてくれる絶対な存在。
「…ほんまに?」
なんで。何を疑っとるんよ。いつだってあ~ちゃんだけを見て来たじゃんか。
「本当だよ。のっちはあ~ちゃんが好き」
その一言に全身全霊を込めた。それでも信じられないなら、信じてもらえるまで言うだけ。ただ、今のあ~ちゃんは、いつもと違う。何かに怯えているみたい。
「なんかさ…たまに不安になるんよ」
あ~ちゃんが小さな声で呟く。それは弱々しくて、暗闇に吸い込まれそうで怖くなった。


「のっちが他の子を好きになるかも、って」
気持ちが変わるなんて、まず有り得ない。この感情は揺るがない。そもそも自分で制御できない暴走機関車だから。
「のっちモテるから…イッパイ可愛い子からも告白されとるし…」
うわ何これ、胸が張り裂けそうなくらい高鳴ってる。可愛い。可愛いよあ~ちゃん。
「凄く…怖いんよ」
その言葉は、震えていた。
不安にさせたくないのに、傷付けたくないのに、笑っていて欲しいのに…。
この手錠が無ければ抱き締めてるのになぁ。もどかしくて手をグーパー。
あ~ちゃんを安心させたいけど、良い言葉が浮かばなくて、悩んだ挙げ句飛び出したのは
「…体が元に戻ったら、ちゃんと告白するけぇ今は待ってて」
明日、体が元に戻ったら、不安を取り除いてあげるから。正式に恋人同士になれば、皆に示しが付く。
ケジメを付けなくちゃ。あ~ちゃんを愛するために。あ~ちゃんを傷付けないために。
「のっち…それ今告白しとるんと変わらんよ」
その言葉に、ハッとした。しまった。のっちのバカ!こんな所でアホ発揮してどうするんだよ。
笑うあ~ちゃんに、笑わんでよ!と照れ隠しに言う。良かった。これでいつものお姫様だ。

◆11:End◆






最終更新:2008年10月10日 22:48