風邪が治って3学期初めての登校。
1時間目は自習だった。
「ねぇ、のっち」
「はい?」
「前の学校の友達と連絡って取ってるん?」
「な、なに?急に?w」
「んー?なんか、ふと思ったから?のっち、前の学校の友達の話とか言わんじゃろ?」
「あー・・・別に普通にしゃべる子とかはいたけど、特別仲良かった人っていないんだよね・・・」
「今まで、ひとりも?」
「うーん・・・。中一くらいまではいたけど、離れるのが辛いから、それ以来あまり友達作りしてないんよ・・・」
今日、のっちに春になったら転校するって言おうと思ってた。
その前にのっちは転校した時前の学校の友達と、連絡を取っているのか気になって訊いてみた。
のっちは、別れるが嫌で今まで友達を作らなかったらしい。
きっとのっちはあたしと別れたらまた辛い思いをさせてしまう。
もうそんな思いをのっちにさせたくない。
だからあたしはのっちと距離を置くことを決めた。
「来年も、あ〜ちゃんと一緒のクラスで良かったよ!」
のっちは何も知らないから無邪気な顔で言ってくる。
その顔を悲しくさせるなんて出来ない。
「なんで〜?」
あたしは誤魔化す。
「なんでって、あたし、あ〜ちゃんくらいしか友達いないしww」
あたし以外にも友達作ってよ。
今からでも間に合うよ。
あたしとなんて一緒にいなくていいよ。
あたしがいなくなっても辛くならないようにしてよ。
あたしの事なんて気にしないでよ。
いっその事嫌いになってよ。
そしたらあたしが転校しても辛い思いしないで済むでしょ。
——翌日のお昼休み。
あたしたちはいつもの屋上にいる。
「やっぱ、冬に屋上でお昼食べるのって、無理あるんじゃない?」
のっちはコートを忘れて体をガタガタ震わせてる。
「そうじゃね・・・」
あたしはぶっきら棒に答える。
「ね、教室戻ろう?さぶいよ・・・」
「あ〜ちゃん、ここがいい・・・」
「え?寒いじゃん。また、風邪引いちゃうよ?」
「戻りたいなら、のっちひとりで戻りんさい」
もう、気遣いなんて止めて。
「・・・いや・・・じゃ、あたしも、ここに残るよ」
なんでよ。
寒いんでしょ。
もう教室戻りなよ。
「あ〜ちゃん、食べないの?」
「・・・食欲ないんよ」
「えっ?大丈夫?体調悪いの?」
だから、気遣いなんて止めて。
「へっくし!!」
ほら・・・一緒にいたら風邪引くよ。
「へっくし!!」
だから・・・一緒にいたら風邪引くよ。
「もう、教室戻りなよ・・・。ほんまに風邪引くけぇ」
「嫌だ」
なんでよ・・・。
なんでそこまでして一緒にいようとするの?
のっち、ダメだよ。
あたしいなくなっちゃうんだよ。
そしたら、ひとりぼっちになっちゃうんだよ。
だからここで離れた方がいいんだよ。
のっちが戻らないならあたしが戻るよ。
あたしは着ていたコートをのっちに投げつけて教室に戻った。
教室でのっちと会いたくなかったから、早退した。
家に帰るとメールが入ってた。
送信者はのっちだった。
『あたし知らない間に、あ〜ちゃんの気に障る事しちゃったのかな?
ごめんね・・・気付かなくて。
謝るから、嫌いにならないで』
気に障る事なんてしてないよ。
謝らなくていいよ。
のっち・・・嫌いになってよ。大嫌いって言ってよ。
最終更新:2009年06月17日 12:12