「…んー」
眩しい…もう朝かぁ。
むっくりと重い体を持ち上げれば、ずっしりのしかかるゆかちゃんがずり落ちた。
「…うにゅ」
「ゆかちゃん、朝だよ」
「んー」
ゆさゆさと小さな体を揺らすも起きない。
まぁいつもの事なんだけど。
「ゆかちゃんの大っ好きないちごアイス食べちゃうぞー」
「ふぇ…だめぇ…」
「あ、起きた」
「ゆかのあぃしゅ…」
「冗談だよ。食べないからほら起きて」
「うー」
「…食べないってば」
ゆかちゃんを起こして朝食の準備にかかる。
今日はトーストと目玉焼き、それからアイス。
…すっかり食卓にアイスを用意するようになっちゃったな。
「こぼしちゃ駄目だよ」
「はーい」
サクサクとジャムを塗ったトーストを食べていくゆかちゃん。尻尾と耳が嬉しそうに動いている。
「…って言ってる側からこぼしてるし。ほらこっち向いて」
「ん」
「はい。食べていいよ」
「はーい」
ゆかちゃんと暮らすようになって、もう一年。
すっかり生活は変わってしまった。
アイスを常備するようになったし、目覚ましが無くても起きれるようになった。
布団は二つあるけど一つしか使ってないし、きちんと食事を取るようになった。
そして、ゆかちゃんと過ごす時間がとても幸せな事に、気付いた。
ゆかちゃんがそれを教えてくれた。
「のっちぃ」
ゆかちゃんが、シャツの裾をぐいぐいと引っ張る。
しゃがんで目線を合わせれば、途端にふにゃりと崩れる表情。
「ん、なに?」
「ゆか…あったかいごはんもすきだけど、のっちのほうがもーっとすき」
ゆかちゃんはまるで内緒話をするみたいに耳元で告げて。
「……」
そのままぎゅーっと抱き着かれて、のっちは苦笑いするしかなかった。
だってこんなの反則でしょ。
「…のっちはあったかいご飯よりゆかちゃんの方が大好きです」
「にへへぇ」
最終更新:2009年06月17日 12:54