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頬杖をつく。
雑誌に視線を落とす。
髪を耳にかける。
「ねぇゆかちゃ〜ん」
「ん〜?」
「初体験はいつ?」
「どしたんいきなり」
頬杖をつく。
雑誌に視線を落としたまま
少し笑う。
「おねがぁ〜い。おしえて〜」
あたしはと言うと、ベッドにカラダを投げ出す。
大の字になって、天井とにらめっこ。
足をバタバタさせる。
「ずぅ〜っと前よ」
「男の人?女の人?」
「そりゃ、男の人だよ」
「その後、女の人とも?」
「ずぅ〜っと後ね」
「そっかぁ〜」
それが、普通?
それは、普通?
なにが、普通?
いきなりじゃ、ダメなの?
「のっち思うんだけどさ」
「ん〜」
「東京タワーってさ、そんなにデカクなくない?」
「いや、デカイじゃろ」
「上に高いからそんな気になるけどさぁ〜、横に倒せばたいした距離じゃないよねぇ?」
「たいした距離じゃろ」
「でもたかが300mちょこちょこよ?」
「建設に携わった人達に謝れ」
「だからその建設もさぁ、いきなり上につくり出すんじゃなくて、寝かせた状態でつくっちゃってから起こせば楽だったと思うわけ」
「…どうやって起こすん?300mオーバーの鉄の塔」
「う…それはまぁ、なんとかして」
「のっち。なにが言いたいんかわからんけど…」
顔を上げる。
髪を耳にかける。
少し、笑った。
「物事にはね、順序があるんよ。円滑に、無難にこなす為の順序が」
「にへへ」
「…なん?」
「ありがと」
「…?きもちわる」


心を決めた、ずっと後。
覚悟を決める、少し前。
わたしが動く、あの子へ近付く、その途中。


〜end〜





最終更新:2009年06月17日 13:02