アットウィキロゴ
一人暮らしなんて何ともないと思ってたし、実際寂しいと感じたことはなかった。
今までは。


いざ体調を崩すと人って心まで弱ってしまうみたいで、
私は今物凄い寂しさに襲われている。
今朝ゆかちゃんに送ったメール。
のっちにも送ろうとしたけど止めておいた。
私が熱出したって言ったら必要以上に心配させちゃうし。
のっちのことだから、学校休んでこっちに来るなんてこともありえるし。
それに。
もしそうなったとしたら、今の私はのっちに凄く甘えちゃいそうだし。


だから、言わなかった。






もう夕方になるのに、まだ熱は下がらない。
まぁ…そんなに高い熱じゃないけど。
なんだか頭がボーッとしてる。
肌寒い部屋で一人。
ベッドの上、布団に包まりながら雨の音を聞いていると孤独感が増した。


のっちに言っとけば良かったかな。


少し後悔していると、玄関あたりでガチャガチャという物音が聞こえた。
ドアの開く音。
誰?
合い鍵を持っている人なのは確か。
お母さん…かな。
私は身体をゆっくり起こした。


静かに近付いてくる足音。
それと一緒にビニール袋のカシャカシャいう音。
寝てると思って気を遣ってくれてる。
申し訳ないなぁ。
でもそれにしては鍵の開け方、雑だったけど。
ん?
本当にお母さん?


部屋の扉が開く。
私の疑問は正しかった。


「あれ?起こしちゃった?」


ズボンの裾がやたらと濡れてるのっちがそこに立っていた。


「のっち…」


なんでだろ。
のっちの顔を見るだけで、こんなに胸が満たされる。
一気に部屋の中が暖かくなった気がした。






つづく





最終更新:2009年06月17日 13:06