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大学に入学して三年目。
今、私は一人クラブにいる。
色目を使う女に下心丸出しの男ばっか。
恋愛に興味がない私からしてみれば馬鹿な連中ぐらいにしか思わない。
最近の若い人は毎日のように合コンして、出会いを求めてる。
話を始めれば「合コンしたい」、「出会いがない」、「彼女が欲しい」、「彼氏が欲しい」だの。
それ以外の言葉知らないのかよ。本当につまらない連中だ。
私はその中には入りたくない。

嫌気が差した私は直ぐにクラブを出た。やっぱり、私にはクラブは合わない。
クラブを出て足早に向かった先は、東京の端にある町の地下にある小さなライブハウス。
このハコは私が毎日のように通う所。ハコの中の隅にあるバーカウンターが私の定位置。
やっぱり、ここが一番落ち着く。
それぞれがそれぞれに楽しんで暖かな空気のこの場所。音の溢れる場所が好き。

そう言えば、よくゆかちゃんと来たなぁ。音楽の趣味が合うからねぇ。
ゆかちゃん達は元気かなぁ。



大学の友達に会わなくなって1ヶ月。つまり、私が大学に行かなくなって1ヶ月。
大学はまぁ楽しかったけどさ。
ゆかちゃんとあ〜ちゃんを含めた10人くらいの男女の仲良しグループ。旅行行ったり、ドライブ行ったり。

ある時、グループの男の子に告白された。
恋愛に興味ないし。何より、このグループ内での恋愛はタブーだった。
恋愛で人間関係が悪くなるなんてよくある話だ。いつまでも仲良しグループでいるためなんだとさ。
だから、断った。
次の日、大学に行くと告白された事がみんなに知られてた。
その子と私はみんなに怒られた。しまいには「良いヤツなのに何で振ったの!可哀相だよ!」とまで言われた。
私のせいかよ。大体、恋愛はタブーなんでしょ。

その日からどうでも良くなった。友達が居たから大学に行ってただけだし。あのグループにももう居たいと思わない。だから、大学に行かなくなった。
まぁ、元々団体行動好きじゃないし。よく話すのも、遊ぶのもゆかちゃんとあ〜ちゃんだけだったし。

…なんて、もう昔の話だ。
この事を思い出すと余計な事まで思い出す。止めよう。
ハコにいる時ぐらいは忘れよう。


ライブも終わって家に帰る。
携帯を見るとゆかちゃんとあ〜ちゃんからメールが着ていた。
大学に行かなくなったのと同時に二人にも会わなくなった。毎日のように二人から連絡がくるけど、全部無視した。
二人には、いや、あ〜ちゃんには会えない。
だって、気付いてしまったんだ。
何気なく触れてくる手。何気なく優しく向けられる笑顔。そして、私だけに向けられる、熱のこもった、切なさのある目。
あ〜ちゃんは恐らく私の事が好きだ。
みんなは気付いてなかったみたいだけど、私は気付いてしまった。
で、ゆかちゃんはあ〜ちゃんからその事を相談されている。
悩みがあるとあ〜ちゃんはいつもゆかちゃんに相談するからね。

気付いてしまった日から不確かが確かに変わっていく。明確な言葉はないけど、変なところで勘の良い私にはわかる。
あ〜ちゃんは大事な友達だけどさ。気持ちには応えられないよ。だって、恋愛なんてどうでもいいから。
あ〜ちゃんには諦めてもらうしかないね。
だから、会わないようにした。ゆかちゃんとは会ってもいいと思ったけど、三人で遊ぼうって言われそうだし。

まぁ、いいんだ。全部過ぎた事だし。今の生活に不満なんてないし。
私にはこの生活が丁度良いんだ。


つづく





最終更新:2009年06月17日 13:37