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今日もハコに行き、いつもの定位置でライブを見ていると、
「のっち!」
ゆかちゃんとあ〜ちゃんが居た。
なんでいるの!?
「大学にも行かないで、今まで何やってたのよ!」
軽くパニックだ!つい、ってか、反射的に逃げてしまった。
「あ!のっち!」
私を呼ぶ声が聞こえたけど、振り返らず、家まで帰って来てしまった。


…なんで。なんで居たのさ。
何しに来たの。大学にはもう行かないよ。もうあのグループのみんなには会わないよ。
あ〜ちゃんだってもう1ヶ月会ってないんだから、私のことなんてもう忘れたでしょ。


…にしても、逃げる事はないよなぁ。
あんなに仲良かったのに、逃げるなんて…二人に悪い事したなぁ。
そう言えば、私はいつからこうなったんだろ。
あぁ、1ヶ月前か。あれから誰とも関わらず過ごしてた。何やってんだか…。




本当はさ。強がりなんだよ。
大学に行かなくなったのも、恋愛に興味ないなんて言うのも。
みんなに嫌われる前にみんなから逃げただけ。恋愛で傷付くのが恐いから興味ないって言ってるだけ。
私は全てから逃げてるんだ。


そう、あ〜ちゃんからも逃げてる。
大学に入学して直ぐ、私はあ〜ちゃんの事が気になってた。でも、恋愛するのが恐かった。だから、忘れる事にした。
私は最低だ。逃げてきた分、空っぽな人間になってしまった。
ハコの隅っこが落ち着くのは寂しい私にはピッタリだから。暗い隅っこなら誰にも見つからないから。
二人に見つかって光が射してしまったから、目が眩んだんだ。眩しいから逃げたんだ。
って、私はモグラか…。いや、モグラかもね。私には暗い所が似合うんだ。



このまま私は何処へ向かうんだろう。
今の生活に不満はないなんて言うけどさ。不安はいっぱいあるんだよ。
こんな人間救いようがないよね。




つづく





最終更新:2009年06月17日 14:20