「名前は知っとるんね」
「うん」
「学校も同じと」
「うん」
「駅も一緒で」
「うん」
「毎朝時間も合わせとる」
「うん」
駅のホーム。佇むあたし。なんだかあ〜ちゃんご立腹な様子にみえるんだけど、気のせい?
「友達から情報収集」
「うん」
「話したことはない」
「うん」
「ずっと見とるだけで好きになった」
「うん」
それだけ聞くと、あ〜ちゃんは大きなため息をついた。
それよりさっきから周囲の視線が痛いなんてもんじゃないんですが…
「なにが恋愛成就よ」
「ええ?」
「ホンマのホンマにゼロからのスタートじゃん」
「あ〜、まぁそうか」
「やっとれんわぁ〜。ただのストーカーみたいじゃ」
またため息。
無理だよ。のっち自分から声とかかけられないもん。
だから神頼みしたんじゃん。奇跡よ起これ。ってなもんだよ。
そんなことより……
「なんかのっち達目立ってない?」
「ん?達?」
「だってみんな見てるよ」
「あ〜ちゃんは見えとらんよ。端から見たらのっちはブツクサでかい声で一人言しとる危ない人」
………えぇ〜
先言っといてよぉ。
のっちかなりイタイ子じゃん!
今から携帯を耳に当てて、話してるテイを…って遅いよね…あぁ恥ずかしい…
穴があったら入りたいよのっちは…
気まずい空気のまま辺りを見回すと…
ぎゃ〜!
なんてこったい!
いつの間にかゆかちゃんもいる!
大分不思議そうにこっち見てるよ!
なにかを哀れむ様な目だよ!
「あの子がゆかちゃんか。確かにかわいい子じゃ」
ゆかちゃんの方へふわふわ飛んでったかと思ったら、ふんふん頷きながらのっちの上に帰ってきた。
何を言ってるんだよ。
もうおしまいだよ。
のっちの恋終了のお知らせだよ。
見てよあの目。
完全にヤバいもの見ちゃった目だね。
目が合ったら即逸らされたもん。グス…
だからあ〜ちゃんは不安だったんよ…
「だぁ〜いじょうぶよ。ゼロからのスタートが、ちょいマイナスからのスタートになっただけよ」
…………。
「あ〜ちゃんに任せんさい。恋なんて簡単よ。角でぶつかればいいんよ」
あ〜ちゃんがセッティングするけぇ。
そう言ってどや顔。
あぁ、もうダメだ。
こいつじゃ無理だ。
どこが無理なのか分からないくらい無理だ。
角でぶつかるって…
平成生まれが成人してる時代になにを言ってるんだまったく…
「のっち!早くもこれはドキドキじゃね!」
帰って寝てもいいですか?
〜続く〜
最終更新:2009年07月17日 21:55