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それはほんとに、突然だった。

それにとても、自然だった。


久しぶりのお休みで
最近、なんだか忙しくて生活が不規則になっている
のっちのために、ご飯なんか作ってあげたりして
ほんわかとした時間を過ごしていた。


それにしても、この子は
なんでこんなに、食べてるとき
幸せそうな顔をするんだか。
ま、だから
ご飯を作るのが楽しみでもあるんだけど。


「ねぇ、ゆかちゃん?」
「んー?」
「次の赴任先、決まったんだっけ?」
「んーん、まだ」
「そっかぁ」
「うん」
「じゃぁさ、
「うん」
「のっちと、一緒にニューヨークいこ?」


      • えっ?
ニューヨーク?


きっと間抜けな顔してるはずのゆかを尻目に
のっちは、たんたんとコトバを続ける。

それは、それが当たり前のように。


「のっち、高3の夏休み、ニューヨークに行ったの覚えてる?」
「・・・うん」
「そのときから、ずっと、ゆかちゃんと一緒に行きたいって思ってて。
 ダンス、始めたのも、それがきっかけだし」
「・・・ニューヨークいこって、、、旅行?」
「え、、うぅん、、、向こうで暮らすつもり、、だよ?」
「そだよ、、ねぇ」


なに、この展開・・・
全っ然、わけがわんない・・



すると、のっちは、イスから立ち上がって、ゆかの隣に近づき
そっと跪き、ぎゅっと手を握って、続ける。


「今、お世話になってる先生がね、、昔、留学してた先に、のっちのこと紹介してくれて。
 うん、、なんかやっぱ、この道にでやっていきたいかなぁって、、、そう思うんだよね」
「…そっか・・」
「うん、、、ま、もちろん、先行き不安定なのは、今と全然変わらないんだけど・・」


まっすぐな、瞳がゆかをとらえる。


あぁ、、ダメだ。

だって、ゆかはもうとっくに、、、のっちの虜、だ。


「のっちは、ゆかちゃんとは離れられん。
 わがままは承知だけど・・・ついてきて欲しいんだ。
 うん。絶対に後悔はさせないから。。。全力で守るから」


だから、、、一緒に行こう?


のっちは、そう言って
いとも簡単に、ゆかのことを打ち抜いた。


悔しいけど

“一緒にいる”、それ以外の選択肢は
再会を果たしたあの日から、ゆかにはない。



「仕方ないなぁ」

そう呟いたゆかを、のっちはそっと抱き締めた。


「うん、手のかかる、仕方ない子だけど、、、よろしく」



「ゆかこそ、、、よろしく、、ね」



「よし、、、じゃぁ、、、今度は二人でちゃんと報告だっ」


そう言うとのっちは、席に戻って、なにもなかったように夕食を再開した。


「はっ、、、報告って?」

「あぁ、、、ゆかちゃんの元彼さん?に」

元彼?・・・えっ、、、彼?
なんで?


「実はさぁ、この前、のっち一人で会いに行ってきたんだよね」

「…どうして?」

「ん?・・いや、ゆかちゃんを海外へ連れていくから、、、まぁ、、、お願い、に?」

「…わけ、わかんないんだけど・・・?」

「ん、そう?でもま、ゆかちゃんにとって、大事な人じゃん?
 のっちとしては、そこ無視するわけにもいかなかった、、ていうか」


出会った頃から、変わらないあきれるほどのまっすぐさに
あきれるくらい、やっぱ愛しいと思ってしまう。


「ふふっ、、、彼、なんて言ってた?」

「あぁ、、、決めるのは、ゆかちゃんでしょ、、て」

「ははっ、そりゃそうだw」

「うん、のっちも、まいっちゃたよ」



けど


「どうしても、譲れないから、、、て。
 少々、強引でも連れて行っちゃうかも、、、て言っちゃった」


て。。。。


あぁもう、、だからだよ!



そんな、のっちだから


ゆかは離れることなんてできないんだ。


でも、悔しいから


そんなことは、絶対に言ってやんないけど。


うん、言わない!


それにしても
ニューヨークか・・・

どんな街なんだろ。。。

でも確か、サクラが見られるとこがあるんだよね?


来年の春は、異国の地で
サクラ見、だね。





最終更新:2009年07月17日 22:34