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手を合わせて唇寄せて。
窓から射し込む車のライトが部屋を照らす世界で、2人きり。
このままずっと2人きり。
誰にも邪魔なんかさせない。
君と私だけの甘い時間だけ。


髪を振り払うように背中を反らす君の姿が美しくて視線逸らすことができない。
囚われてしまったのは私の方。
妖しく煌く汗が私の胸元に落ちる。
愛おしい。
優しくしたい気持ちと裏腹な気持ちに駆られて無遠慮に動く体。
いつまでもその姿を見ていたい。
今も君の名前だけを繰り返し呟いては、押さえる事が出来ない気持ちを吐き出す。
止められない。
君の存在がまるで甘い罠のように、私に絡みつく。
苦しそうなその顔だって、私を射抜く視線だって、君の一つ一つの行動に堕ちていく。
もう…引き返すことの出来ない場所まできてしまった。


抱きしめて、その滑らかな肌を感じて、また君に吸い寄せられる。
眠れない夜が時を刻む。
甘い吐息が耳元で震えた。
背中に感じる痛みすら君からなら全て受け入れるよ。
きつく抱きしめて逃がしはしない。
深く暗い闇の最果てを君と共に見つけるまでは…。


気持ちを伝える術を知らなかったあの頃よりも強い想い。
苦しくなる程に君を欲しているこの満たされない感情はいつまでも変わらないまま。
情熱の炎が胸を焦がす。
君の頬に流れた涙の痕を見てもまだ止められない。
いつまでも君の闇に囚われていたいから。
この関係が正しいか正しくないかで悩んでいた君の心を私だけに向けることができたなら。
君が纏う白の世界に落とした私の黒。
広がってしまえばいい。
そのまま私から逃げられないように。
残酷で美しい君はいつまでも染まらない白のままで。
私は君を知るたび黒を纏う。


「あ〜ちゃん…のっちに堕ちてよ」


意識を失くした君に呟いてみても変わらず美しいまま。
淡いブルーの世界が朝を呼ぶ。
君がいるべき景色が目を覚ますから私の黒が静かに姿を消していく。
また友達に戻る時間が動き始める。
本当の君を呼ぶ朝が憎い。
私は君を知って底のない闇を知る。


いつまでも友達のまま。
それでも私は君を抱く。
君の優しさという残酷な闇に包まれながら。


私の頬に流れた涙に意味はない。
君さえ手に入るなら私は傷ついたりはしないから。
いつまでも流れ続けるこの涙に意味なんてないんだ。


〜end〜






最終更新:2009年07月17日 23:02