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初めてライブハウスに行った日から、私はほぼ毎日ライブハウスに行った。
あ〜ちゃんを見るたびに、のっちは逃げるように帰る。
ゆかちゃんが居るときもそうだった。
でも、それでも良かった。
まだ、のっちはあ〜ちゃんの側にいるから。
だから、まだ大丈夫。そう言い聞かせて頑張るしかなかった。


それから季節はあっと言う間に過ぎて、冬に向かう準備をしていた。
懲りずに今日ものっちに会いに行く。
「のっち!」
いつものように話し掛ける。
「…。」


ただ、いつもと違う事がある。
今日、のっちは帰らなかった。何も話さないけど帰らず側に居てくれた。





それが、凄い嬉しくて幸せだった。こんなに長い時間一緒に居れるのは何ヶ月ぶりだろう。
ただ…、嬉しさのあまり時間を忘れてしまった…。


ライブが終わってものっちが帰ろうとするまで居たから、終電が無くなってしまった…。
どうやって帰ろう…。歩いて帰れる距離じゃないし、タクシー代もないし…。やばぁ、お母さんに怒られちゃうよ…。
私があたふたしていると、のっちが話し掛けてくれた。


「あ〜ちゃん。…帰らないの?」
「え!あ…、いや、あの…か、帰りたいんだけど…。」
久しぶりに声が聞けて嬉しかったけど、急過ぎてテンパってしまった…。
「もしかして、終電ないの?」
「もしかしてじゃなくて、終電ないんです…。」
「まじか…。じゃ、うち来る?」
「え…!?」
「いや。え、じゃなくて、うち来るかって?」
ほんとに?いいの?全く話してくれなかったのに、急にどうしたの?
「…いいの?」
「終電ないんでしょ?…イヤなら、別にいいけど。」
「イヤじゃない!…じゃなくて、泊めてください…。」
「わかった。じゃ、おいで。」
どうしよ!急展開過ぎるよ!
いや…。でも、急じゃないかも…。
まだ、ずっと一緒に居た時。のっちはいつも優しかった。いつも、周りの事を気に掛けてた。
偽善っぽくない、その優しさが好きだった。




のっちの家に着くと、言葉を失った。…汚すぎる。人の住める所じゃないよ!
「のっち!部屋汚すぎ!掃除してるの!?」
「え…してない。」
「ダメだよ、掃除しなきゃ!こんな部屋に住んでたら具合悪くなるよ!」
そう言って掃除を始める。雑誌やCDやゲーム、服で床が見えないよ!
「あ、あ〜ちゃん!何やってんの…?」
「何って…掃除だよ!」
「あぁ…。ですね…。」
「ほら!のっちも手伝って!」
「…はい。」
なんとか部屋を綺麗にして、くつろぐ。
部屋に入った時以外会話はない。
ほんとは今すぐにでも、のっちに何があったのか聞きたい。今すぐ気持ちを伝えたい。
でも、ゆっくり。ゆっくり、距離を縮めていくの。
今日、こうやって一緒に居れるだけであ〜ちゃんは幸せなんだもん。
だから、のっち。明日もライブハウス行くからさ。明日も今日みたいに逃げないで。




つづく






最終更新:2009年07月17日 23:12