Side A
一人目が生まれてから、二人目がなかなか出て来てくれなくて。
大丈夫だよ?
皆が待ってるから、おいで?
心の中で一生懸命願って。
ようやく…。
オンギャーwオギャw
「こっちも元気な女の子ですよ。」
生まれたばかりのその子を、助産婦さんが顔の脇まで連れてきてくれて。
「はぁ、はぁ…ありがとぅ。…ありがとっ…。」
生まれたばかりの、お猿さんみたいな二人を見て、涙が止まらなくて。
ちゃんと生まれてきてくれてありがとうって、それしかなくて。
さっきまでの、ありえないくらいの痛みなんかどっかにいってしまった。
「綾香ぁ。ありがとうっ。」
手を握って出産に立ち会ってくれた彼もすごく幸せそうで、こんなに幸せで良いのかなって思っちゃう。
「名前は女の子だから、一人は『華』で決まり?」
「あ。ん〜ん。この子達は違うかな…。」
「え?」
「さっき、何か降りてきちゃったんよねw」
「なに?」
「ふふwあのね?」
彼に二人の名前を告げる。
「うん。それ良いね。俺も賛成。」
「良かったぁ。」
4年後…
あたしが部屋で洗濯物を畳んでいると。ドタドタと騒がしく走ってくる二つの足音。
また追い駆けっこでもしとるんかねぇ?
一つはあたしの後ろへ隠れる。
「ママァー、また意地悪しゅるよぅ。」
この子は彩乃。
ちなみに呼ぶときはあやのっちから取って『のっち』。
先に生まれてきてお姉ちゃんなんけど…。
「のっちジュルイ。ママんとこ隠れるなんてぇ。」
「だって、有香がそんなん持ってくるけぇ…。」
ヒシッとあたしの洋服を掴んで困り顔。
だめwのっちのこの顔可愛いくてダメだわw
後から生まれてきた目の前の子は『有香』。
悪戯好きで、いっつものっちが追い回されている。
でも、有香が危ない時なんかは、サッと助けちゃうから不思議なんよね…。
有香はなんやかんやと、生き物を捕まえてくるのが得意のようで…。
まったく誰に似たんだか…。まぁ、パパだろうけど。
お陰で、苦手だったけどちょっと慣れた。捕まえるのは無理だけど。
さて、今日は何を捕まえて来たんかね。
「ゆか?今日は何で追い回しとん?」
ぶぅっと詰まらなそうな顔してたかと思ったらイヒッと笑って。
「こりぇw」
バンと目の前に出されたのは、細長くってにょろにょろして、目は可愛いけど舌がチョロチョロって…。
ちっちゃいけど、それは確かに蛇で…。
ギィャwwwwww!!!
声にならない叫び。
「ゆ、ゆ、ゆかぁ!そんなんはよぅ外置いてきんさい!」
あたしはしがみ付いていたのっちにギュッと抱きついて叫ぶ。
「ぇえ?ヘビさん可愛いのにぃ…。」
ちょっとションボリとして蛇を撫でているゆか。
「ぃや、可愛いんかもしれんけど、ごめんね?ママ蛇は無理じゃわ。」
「…ん。分かった。ママが嫌なら戻してくりゅ。」
「うん。ありがとね。」
トボトボと蛇を持って外へと戻しに行く。
その後姿が、妙に可愛いわぁ。
ふぅ〜。とりあえず助かったわ。
そうだ、のっち。
「のっち?もう大丈夫よ?ゆか戻しに行ってくれたけぇ。」
ぽんぽんと頭を撫でながら、話しかける。
でも、のっちは離れないで
「ママ良い匂いする。」
「そお?」
「うん。なんか、安心するの。」
もう、そんなこと言ってぇw可愛いな〜。
「ありがとう。」
「のっち、ママんこと大好きらよ?」
「へへwありがとぅ。じゃあ、ちゅぅする?」
「ぬぁw、ぅ…有香来るまで待っとるぅ。」
ははwそっか。そういえば、この間そんな約束してたっけ。
ちゅぅする時は二人一緒。とかなんとか。
それにしても、親子なんけぇ、そんなに真っ赤にならんでもw
「ママ−。戻してきたょー。」
「手は洗った?」
「うん!」
「じゃあ、ゆかもこっちおいで?」
手招きしてゆかを呼ぶ。
二人を両手で抱きしめて
「ママは、のっちもゆかも大好き。」
「のっちもぉ!」
「ゆかもw」
一緒に抱きついてくる二人の腕。
「二人がママの子ですごく嬉しいんよ♪」
「のっちもぉ!」
「ゆかもw」
ふふw
だから。
「うんwありがとう♪」
あたしの可愛い二人の天使に口付けを…。
そしたら
「のっちもぉ!」
「ゆかもw」
って言って二人がほっぺにチュッてしてくれた。
きっと今のあたし、顔デレデレだわw
あのね?
ママ時々思うんよ。
二人が生まれてくるずっと前に。
ママが生まれるよりずっと、ず〜っと前に、二人と会ったことがある気がする。
上手く言えないけど…。
二人が生まれた時。
また逢えた。
そんな風に感じたんよ。
きっと、どこかで繋がってたんだって。
そう思うと、すごく嬉しいんよ。
うん。
ずっと、大好きだからね?
<繋がる>fin
最終更新:2009年07月17日 23:32