A
目が覚めると朝になっていた。寝てしまっていたらしい。
のっちは目が覚めただろうか?
ベッドに目をやると、凄い勢いで隠れてしまった。
どうしたんだろ?
「のっち、起きたの?」
恐る恐る、のっちが顔を出した。
「良かった…。のっち、大丈夫?」
「…。」
返事がない。なんか具合悪そうな顔をしてる。やっぱ、風邪引いちゃったかな?
「なんか、具合悪そうだね…。熱測ってみよ?」
体温計を渡し、昨日の事を聞いてみた。
「のっち、昨日何かあった?」
言いづらそうなのっちの顔。具合悪いのに今聞くことじゃないよね…。
話変えないと、
「…あ、体温計見せて。…うわっ、39度あるよ!とりあえず、風邪治そうか。のっち、おなか空いてる?」
のっちは黙って頷いた。
「じゃ、おかゆ作るから少し寝ててね。」
それから、何日間かのっちを看病していた。
風邪は治ったけど、どこか浮かない表情ののっち。
「あ〜ちゃん、ありがとね。」
「ううん。風邪治って良かったよ。」
「うん…。」
もう、のっちの悲しそうな顔見たくないよ。
聞いてもいい?
「ねぇ、のっち…。」
「ん?」
「あの日、何があったの?」
「…。」
「のっちの事、心配だよ…。」
「あ〜ちゃんには、関係ないよ…。」
悲しかった。関係ないかもしれないけどさ。あ〜ちゃんはのっちと関係していたいよ。
「関係ないなんて、悲しい事言わないでよ!」
「…。」
「一人で考え込まないでよ!のっちが辛いのなんてイヤなの!…のっちの為なら、あ〜ちゃん何でもするから…。」
気付いたら泣いてしまっていた。でもね、泣くくらい心配なの。泣くくらいのっちの事が好きなの。
泣いているのっちを抱き締めながら、少しでものっちに伝わるように話す。
「のっち、一人で悩まないで…。あ〜ちゃんが側にいるから…。ずっと、側に居る。…のっちが辛いの、あ〜ちゃんが救ってあげる…。」
そう言うと、のっちは声をあげて泣いた。そして、全てを話してくれた。
言い訳をして全てから逃げていたこと。それでも少しずつ変わろうとしたこと。ライブハウスで働きたいと思ったこと。大学を辞めようと思ったこと。親にわかってもらえなかったこと。
のっち、ごめんね。私全然気付いてあげられなかったよ。自分のことでいっぱいだったよ。でも、のっちがもう辛くならないように私なりに頑張るからさ、のっちも諦めないで。のっちなら変われるよ。
つづく
最終更新:2009年07月22日 21:43