N『じゃあまた電話します、はい失礼します。』
携帯を閉じガッツポーズをとる。
K『なんかいい事あったの?』
雑誌に視線を落とし涼しげな顔で聞いてくる。
N『内緒。』
K『ふ〜ん…。』
いかにも関心ありませんって言いたげな口調、でもどっか浮かない表情に見えるのは私の思い上がり?
N『今度、ライブ見においで〜、だってさっ。』
K『へぇ。もう次がいるんだぁ、良かったねぇ。』
トゲのある言い方に聞こえるのも私の思い過ごし?
N『終わったものにしがみついてるほど暇じゃないからね。』
雑誌をめくる手が止まる。
N『って、そんなんじゃないよ。単なるファン。』
K『相手はどうかわかんないよぉ〜。』
茶化す口調が痛々しくてやけにゾクゾクする。
N『何?なんかそうなって欲しいみたいに聞こえるんだけど?』
K『別に…。』
N『負い目感じてるの?』
K『……、負い目じゃないけどさ、やっぱり幸せになって欲しいじゃん?』
こっちを向いた黒目がちな瞳が寂しそうに揺れていた。
N『ずいぶん勝手な事言うんだね。』
瞳がかげる。
N『ま、別にいいけど。終わった事だし。』
瞳は伏せられる。
N『……あんなにさっ、愛し合って求め合って埋め合ってたのに、終わる時って呆気ないね。』
K『ごめん……。』
小さな呟きに私は初めて泣きそうになった。
N『ゆかちゃん、一つお願いがあるんだ。』
K『……なに?』
N『私の前では笑ってて?』
K『………、うん。』
その微笑みは泣き顔のようにも見えた。
(続く)
最終更新:2009年07月22日 22:20