a
季節は梅雨。
天気予報はアテにならないと思いつつ
しっかりと、時雨れる時には時雨れるものだ。
窓を叩く、弱弱しい雨。
一歩を踏み出せないあ〜ちゃんのよう、、だ。
♪〜
っ!?
ディスプレイをみると、ゆかちゃん。
「もしもし?」
「…もしもし、あ〜ちゃん?」
「どうしたん?・・・のっちとこ行っとんじゃろ?」
「うん、、、だいぶしんどいみたいで、ぐっすり寝込んどった…」
「・・・そっか…」
「ねぇ、、、今からあ〜ちゃんとこ行っていい?」
あぁ、、、そっか
もうすぐ、この雨もあがるの、、、か。
「いいよ」
ねぇ、あなたに惹かれたのはいつからだった?
そんなの、わからない。
近くにいすぎて、その存在の大切さに気付けなかった。
気付いたときには、遅すぎた。
ねぇ、あなたのココロはいつから、彼女に惹かれていた、、の?
自分の本心に気付いてから
あ〜ちゃんのココロには、ずっと雨が降っているよ?
でもね、それは
あながち、悪いことでもなかったんだ。
やさしく、あたたかな雨だって
確かに、あったから・・
でもそれもきっと、、、今日で・・・
ピンポーン
終わりを告げる、音色。
はーい
そう言って、ドアをそっと開いた。
キレイな黒髪を少ししっとりさせた彼女がソファに腰掛ける。
「・・・のっち、、へばってた?」
「うん、、へばってた…」
言いたいのは
話さなきゃいけないのは
そんなことじゃ、ない。
雨音は、どんどん遠ざかる。
「あのね、、、」
ゆかちゃんが切り出す。
「なん?」
「もう、、、こういうの、、終わりにしよ?」
「・・・こういう、、の?」
「うん、、、、ゆか、、、、のっちとこ、、、戻る、ね?」
「・・・より、、戻したんだ?」
「んーん…そんなのじゃ、、、ない」
じゃぁ、、、なに?
愛しいゆかちゃんの、漆黒の瞳があ〜ちゃんを捉える。
「ただ・・・・やっぱ、ゆかにはのっちしかいない、、
そう、気付いただけ、だよ・・」
いとも簡単に、ゆかちゃんは、そう答えた。
そんなこと、、、、もうとっくにわかってた、よ。
最初から、わかってたこと、だよ。
途切れていく雨音のように
うまく、言葉を紡げないあ〜ちゃんに
ゆかちゃんは、言葉を続ける。
「ごめん、、ね、あ〜ちゃん・・・
ゆか、、あ〜ちゃんの“キモチ”、、わかっとったよ・・」
「わかっとって、、あ〜ちゃんを利用してた
ゆかは、最低・・うん、、ほんと、最低、だ・・」
「そんなことない!」
ゆかちゃんの、想いを最初に利用したのは、、きっとあたし、だ。
二人が別れてしまったとき
一人ではいられない、ゆかちゃんの傍にいることを選んだ
あの時、ゆかちゃんを放っておいたら
だれかれかまわず、転がってしまっていたかもしれない・・
そんなのヤだった。
そんなの、結局
ゆかちゃんが傷つくだけ、だから。
あ〜ちゃんなら
そう
あ〜ちゃんとなら、
“間違い”なんて起こることないから・・・
だから
一時、空席になった
ゆかちゃんの隣へ・・・
少しだけ、甘い夢を見たんだ。
彼女特有の、甘い甘い毒。
あ〜ちゃんの頭の中は、ずっと
その毒に痺れたまんま。
「・・・そろそろ、、、素直になんなよ?」
「…」
「想いが、叶うなんてこと、、ほんと奇跡なんよ?
想いあってるのに、離れてるなんて、もったいないよ…」
「…うん」
雨音がしなくなった
部屋の中はずいぶんと、静か、だ。
「あ〜ちゃん…?」
「ん?」
「…ありがと・・」
うん、ありがと。。。
雨はもう、あがったようだ。
でもきっと
水のたまりは、まだ
ゆらゆら、してるだろう。
愛しい想いも
ココロの中にたまり
波紋を広げ続ける。
いつか、これもあがっちゃう?
んーん・・・
たまりたまった
水のたまりは
晴れ上がった後も
このまま、に。。。
最終更新:2009年07月22日 23:24