耳をなでる手を拒む
入ってくる舌を拒む
拒めば拒むほど求めてくるのは知ってる
そこが見たくてそうして欲しくて今まで拒むふりだけしてきた
…けど
「…泣いていいよ?」
「…なんで?」
「悲しいでしょ?」
「何が?」
「のっち」
スッと表情がなくなった
もうふりはしない
本気で拒むから
本気で求めて
「……黙ってよ」
むちゃくちゃにしていいよ
それできみの気がすむなら
「いつから気付いてたの?」
あたしの体中につけられた跡が疼く
ゆかちゃんの跡
苦しい跡と、悲しい跡と、…惨めな跡
「ずっと」
「ずっと?」
「こうなる前からずっと知ってたよ」
「ずっと知ってたのに、ずっと知らんふりしてたの?」
「うん」
「あ〜ちゃんバカだよ」
「うん」
「…ごめんなさい」
そう涙を流すゆかちゃんをそっと抱き寄せたら
綺麗な黒髪が流れるように揺れた
「ゆかちゃん…」
知らないふりはもうしない。したくない。のっちが好きでもなんでもいい。
「いっぱい泣いていいよ」
あの子の次じゃ意味なんてない、じゃ、ない
「ゆかちゃんが望むことならなんだってするから」
次でもなんでもいいから、ゆかちゃんのそばにいさせて
「好きだよ」
だから意味…あるよね?
ゆかちゃん
終わり
最終更新:2009年08月01日 20:39