サイドA
卒業式が終わった頃に
ゆかちゃんは事務局にのっちの卒業証書をもらいにきた。
細い体は前よりもっと痩せた気がしたし、
顔色も悪いような、、。
誰もいないキャンパスの小さな桜の木の下で二人ベンチに座った。
『ゆかちゃん痩せた?ちゃんと食べてる?』
『うん。大丈夫だよ。』
『・・・うそ。』
『へへっ、、。実はあんまり食べてないかも。。』
はにかみながら小さく笑ったゆかちゃんは、
淋しそうな目をしている。
『ひとりだと、、作るのめんどくさくて、さ、、』
『そっか、、』
『ひとりで食べても、、おいしくないし、、、』
『・・・あっ!じゃあ今度ご飯食べいこ!』
にっこり笑って頷いてくれたゆかちゃん。
だけどやっぱり淋しそうな目をしてる。
ねぇのっち?
あ〜ちゃん何してあげたらいんよ?
のっちじゃないけぇ
そこまでわからんよ?
ゆかちゃんのこと
のっちみたいには支えらんないよ?
いつの間にか桜の木の下に立っていたゆかちゃんは、
『あ〜ちゃん、ありがと!』
笑顔で言ってくれた。
だけど、、
ちょっと切ないよ、、、。
『・・・・・あっ!!』
サイドK
『・・・・・あっ!!』
突然何かを思い出したみたいにあ〜ちゃんは、
そうだそうだ!
なんて言いながら、カバンの中をごそごそ漁りはじめた。
『あー!よかった!!ちゃんとあったぁ!!うわっ!汚なっ!w』
なんて言いながら、
確かに汚い手紙を取り出した。
てか、何それ?紙きれ?
『そうだそうだ!今じゃんタイミング!さっすがあ〜ちゃん!w』
なんて言って、当の本人は何だかご機嫌。
『・・・どしたの?なに、それ?』
『ふふふwひ・み・つ!wちょっと待って!』
嬉しそうにその紙を開いてしばらく眺めて、、、
すぐ閉じた。
ん?
『ちょ!どしたん?あ〜ちゃん?』
あ〜ちゃんがわかりやすく慌てるから気になるよ?
『あ、いや、何でも、、、ない。』
『何?手紙でしょ?読まんの?』
何で閉じんの?
今さっきまで、思い出して喜んでたじゃない。
『あ、うん。今は、いいや!家、帰ってから読む!ね!!』
サイドA
ちょっと、のっち、、、
これ、反則でしょ、、。
『何?気になる。。』
ゆかちゃんはめっちゃ気にしてるし、、
『いや、なんで、も?ないよ!』
私はごまかしきれて、、ない?し、、、。
『何?あ〜ちゃん?』
そんな満面の笑みで歩み寄られても、
これは見せられんよ、、。
『ちょ!だめだめ!のっちに怒られちゃ、ぅ、、、
あっ!うそうそ!違う違う!何でもない!!』
やっばい、、。
本当に怒られちゃう、、。
『のっち?何?それ、のっちから?』
違う違う!
首を横にブンブン振ってるけど、
ゆかちゃんにはまったく通用してない。。
『見せて?』
いやいや、だめだって!
『あ〜ちゃん?』
無理無理無理!
そんな顔したってダメなもんは、、、
『かして!』
あぁぁあ、、、やばいぃ、、、。
のっち!
あんたが悪い!!
ゆかちゃんに見せないでって言っておかなかった、
あんたが悪いからね!
まぁ、でも
これで少しはゆかちゃんも元気になる、かな?
サイドK
あ〜ちゃんから取り上げたクシャクシャになった汚い紙切れを開いた。
決して大きくないその紙は見慣れたテーブルの上に置いてあったそれと同じものだった。
決して大きくないその紙は見慣れた文字でびっしり埋まってた。
—あ〜ちゃんへ。
ゆかがピンチになったら読んでください。
口で言うのは恥ずかしいから、てか情けないから手紙にしました。
あ、字汚くてごめん。もうすぐ家出なくちゃだからさ。
手紙っていってもお願いなんです。ごめん。
だけど頼めるのあ〜ちゃんしかいねぇっす。
わかってることなんだけど、のっちはもうアメリカに行くから傍にいてやれんのよ。
気持ちはね、傍にいるつもりなんだけど。
やっぱり距離が遠すぎるから、ぬくもりとか?そうゆうの?
やっぱ薄くなっちゃうから。まぁのっちもなんだけど。
のっちは仕事で気が紛れるだろうけど、ゆかはさ?違うじゃん?
まだ大学も二年あるし。
させるつもりないんだけど、淋しい想いをさせちゃうだろうから、
どうかそんな時は傍にいてやって?
本当はすぐにのっちがそこに行ければいいんだけど、、。
ゆずれないもんもあって。
のっち早く大人になりたいんだわ。
ゆかの隣にいてもおかしくないように。
だってのっち女じゃん?
早く大人にでもなんないと、とられちゃいそうでさ。
他に幸せにしてあげられるやつなんか、そこら中にいるんだろうし。
てか世界の半分は男じゃん?
だから、負けないように。
負けるつもりもないけど。
ゆかが選んだ相手がのっちでよかったって思えるように。
これから先の幸せをあげられるように。
だから仕事だけでも早く一人前になんないと。
って賢くないのっちが精一杯思って書いてます(笑)
そのためにこのアメリカ武者修業(笑)はゆずれないわけです。
わかってくれなくてもいいから許して?置いてくこと。
でもすっげぇ不安なのね。
だってすっごい泣くのね。毎晩毎晩。
気付いてんだけど抱き締めることしかできなくて。
でもそれもできなくなるから。
だからあ〜ちゃんお願い。
無理して笑うから、そんな時は傍にいてやって?
我慢してる時は左手で鼻と口をふさぐみたいにするから、傍で笑ってやって?
泣きたい時は両手で前髪をおさえるみたいにするから、泣かせてあげて?
口調が強くなったら張りつめてる時だから、優しくしてあげて?
ちょっと食べないとすぐ痩せちゃうし、顔色悪いと熱でちゃうから、叱ってくれる?
それでもいよいよ肩を震わせるようだったら、頭撫でてあげて?
左の耳の上あたり。そしたら落ち着くから。
声を出して泣くようなら、ぎゅってしてあげて?
(でもあんまりしすぎないで!)
のっちも淋しいです。
だから、のっちのこと忘れさせないで?
なんて。すんません。
泣かないでほしいんです。
でも無理だろうし、のっちは行けないから、
せめて一人で泣かないように。
あ〜ちゃん、傍にいてあげてください。お願いします。
てか無理なお願いなんだけど、お願いします。
もういかなきゃー
言いたいことだけ書きまくってまとまんないし(まとまる気ない)、
汚くて悪いんだけど、本当お願いします。
おみやげはずむから(笑)
あー本当は毎日愛してるよを伝えたいんだけど、どうすればいんだろね?
うわ!はずかしー(笑)
ゆかには内緒ね!
んじゃいってきます。
ごめん。ありがと。たのんます。
のっち—
こんなの卑怯だよ、のっち。
我慢してたのに、、涙、出ちゃった。
でも、のっちのせいだよ。
ねぇのっち。
離れていても、やっぱりのっちはのっちだね。
ゆかの好きな優しいところ全然かわんない。
こんなのずるいよ、、。
不安になってばっかでごめんね。
泣いてばっかでごめんね。
ゆか、もう平気だよ。
うん。
今度は嘘じゃない。
最終更新:2009年08月01日 22:19