「今日は皆さんに俳句をつくってもらいます」
3限の国語の時間、黒板には俳句のテーマがぎっちし
この中から一つ選んで俳句を作ってくださーいって、若い女の先生が楽しそうに言う
俳句?俳句ってどうやってつくんの?5・7・5に合わせたらいいだけ?季語とかいんの?その前に季語って何?
まーよくわからんけどとにかくつくらないとダメなのね。わかりましたわかりました。
「のっちできた?」
「わわ!見ちゃダメだよあ〜ちゃん!」
「いいじゃん見せてよ〜」
「やだ!恥ずかしいから前向いて!」
最近よくあ〜ちゃんが後ろ向いて…つまりのっちの方向いて話しかけてくれる。
あ〜ちゃんがそうしてくれた日はそのあとずっと心がうきうきして、意味なくニヤけちゃってゆかちゃんにキモがられるんだけど、とにかくなんかしあわせ。
1度も振り向いてくれなかった日は逆にもの足りなくて、授業中ずっと振り向けー振り向いてくれーって念を送り続ける生活になってきた。
のっちから話しかければいいじゃんって言われたけど、ムリムリムリ!まだそこまではできんのよ…
「あ〜ちゃんのも見せるから、ね?見せて」
「やーだーよー。前向いてよ」
前向いてよん!だなんて嘘っぱちもいいとこだよねホント。
本当は内心…今めっちゃ楽しいです!
「はーいでは皆できたみたいですね。集めるので後ろの人お願いします」
あ〜ちゃんとやんややんややってると終了の声が。ああもうちょっとこの空気に浸らせてよ先生。空気呼んでよ先生。
そんなことを考えてると、のっち達の列の1番後ろの席のゆかちゃんがのっちが書いた紙をバッと奪った。
「何何〜?初詣、たった…」
「あああー!何詠んでんの!」
「ふふふー。かわいい俳句だねー」
「あ〜ちゃんにも見せて!」
「ダメだよ!もうゆかちゃん早く前出しなよ」
「はいはい」
油断も隙もあったもんじゃないよゆかちゃんは。あ〜ちゃんがまだぶーぶー言ってるけど気にしない。てかぶーたれてるあ〜ちゃんがかわいくて気にしちゃいられない!かっわいいな〜あ〜ちゃん…
集め終わった先生がそれを一つ一つ黒板に貼付けてく。見事にぎっちし、40人分の俳句が黒板に並んだ。あっのっちのあそこにある。
「じゃあこの中からいいと思うものをあげていくので、当たった人は手を挙げてアピールしてください」
そっか、ならのっち関係ないね。のっちのなんかたいしたもんじゃないし
「1つめは…これ!〜初詣、たった5円で、願い事〜これ誰ですかー?」
…のっちのじゃん。えっ何これ、手挙げないとダメなん?えっそんな事したら皆が見るじゃん。やだよのっち視線が嫌いなんだよ。いーや知らん顔しとこ知らん顔知らん顔
「先生ーそれのっちの」
ちょっとゆかちゃん!余計なこと言いやがって!
「大本さん、これいいね!体言止めされててうまいです」
「あ…はい」
皆の視線もそうだけど、1番近いあ〜ちゃんの視線が辛いです。
つづく
最終更新:2009年08月01日 22:40