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《過去》


サイドA


私の日記帳によく名前が出るようになったから、
知らないフリして横目で見るようにした。
横目で見るようになったから、目が合うようになって、
目が合うようになったから、情けない眉で笑うのっちの存在の大きさを再確認した。
あ、こんなにも好きなんだ。って。

私はPerfumeが一番だから。私にはこれしかないから。それを失うのが一番辛いから。

でもそんな私の壁さえも、いつかのPVみたいに、あまり格好よくないパンチで秒殺で粉々にした。
でものっち。順調だと思ってた私たちの想いさえも、あなたは秒殺で粉々にしたね。


だけど、情けないことにあなた以外に愛するものが見つからんのよ。
離れていれば疑っちゃうから、近くにいて求めるの。
全部嘘であればよかったのに、全部リアルで。
抱き締めてもらっても、温度が混じり合わないのは、
あなたの熱はいつも私に会う前に、別の誰かに吸収されてるからでしょ?


ねぇのっち。嘘でもなんでもつけばいいよ。
ただ、すぐばれるような嘘ならいらない。
私のためについた嘘なら、私が死ぬまでつき通してよ。お願い。
会いたい夜に会えないのも、きっとその理由を聞いたらダメだと思うから聞けないんよ。
“かしゆかのとこに行くんだ・・・”
なんて、安易に想像がついちゃうけど、あなたの口からそれを現実にしたくないもん。


ねぇのっち。Perfumeだめにせんって言わなかった?
ううん。それよりも先に、親友なんよ。あ〜ちゃんとゆかちゃんは。
それ、ちょっとキツいのわかってる?
でも、あ〜ちゃん嘘だって思い込むことにするから、
絶対ばれないように、うまくやってよね。




《現在》


サイドA


もう一度やり直せるなら、あなたを失った春から。
もう一度取り戻せるなら、気付いてしまった夏から。
もう一度出会えるなら、あなたの生まれた秋から。
だけどきっともうやり直すことなんてできないのは、冬だから?

高速列車のように冬がやってきてるみたい。
冬になると“切ない”だとか“悲しい”だとか言うけれど、私は自分の生まれたこの季節を好きにならなくちゃって思う。
寒空の下、満天の星空を見たことや、自転車二人乗りして坂を下って、寒くてガタガタ震えたこと。思い出してはツーンと寒くなるけれど、冬のせいにすればいいよね。
あの時から一度も忘れたことなんてないよ。


終わりにしたのは自分なのに、最後まで素直になれなくて。後悔してないわけじゃない。
きっとどうあがいたって、もう無理なのに。むしろ戻りたいわけじゃないのもわかってるのに。忘れることはできないよ。
私の隣にも、のっちの隣にも、もう違う誰かがいるわけだし、それをお互い知ってるわけだし、そこをお互い許せなかったから、別れた、わけだし。
でもね。何年たっても忘れられないのは、よくないんじゃないかって、あ〜ちゃん最近思うんよ。
それは多分、それだけ想いが強かったってことなんだろうけど。
いつまでたっても次に進めないのは格好悪いことだとも思うから。次に進めないのは私だけ、だけど。


ねぇのっち。私の名前、まだあなたの携帯の中にいる?のっちのことだから、そのままそこにいるかもしれないね。
私はね、もちろんまだいるよ。でも、もう絶対呼ばれないんだろうけど。
でも今でもたまに、あの頃してたみたいに、鳴るわけもない携帯の着信音量最大にして、枕元に置いたりするよ。
だけど鳴るわけもないし、それでもやっぱり寝れないのは、あの頃から変わってないの。
寒くて寝れないって、冬のせいにしてるけどね。






最終更新:2009年08月01日 22:44