次の日、仕事のため現場へと向かい楽屋に入る。
まだ、誰も来てないみたい。
良かった。
あ〜ちゃんならまだしも、ゆかちゃんがいたら変に緊張しちゃうからね。
でも、今日ののっちは違うもんね。
ゆかちゃんにビシッと言ってやるんだ。
好きですって。
今までは逃げてたけど、今日は絶対言う!
たとえ叶わなくたって、ちゃんと言葉に出して相手に伝えることが大事なんだ。
大丈夫。のっちには天使という名のあ〜ちゃんがついている。
まず、いたって冷静にゆかちゃんに話しかける。
何気ない会話をした後に、話があるって、仕事が終わった後に誘いだす。
そこで、カッコよく言ってやるんだ。
もし、上手くいったら そこでキスをする。
ムードは最高潮!
完ぺきだ!
なんてシュミレーションしてると、ガチャリとドアが開く音がする。
ドアの方向へ振り返ると、ゆかちゃんが入ってきた。
「あれ〜、珍しい。いっつも遅刻してくるくせに。」
「のっちだって、やるときはやるんです。」
だって、昨日は8時に寝ちゃったもん。
そりゃ、必然的に早起きするよ。
「なにそれー、何か気持ち悪い。」
ガーン…
好きな人に気持ち悪いって言われたよ。
さすがののっちでも傷つくよ。
告白、成功しないかも。
「あ、ねぇねぇ。」
「ん?」
さっきの傷が癒えぬまま返事をする。
「今日、仕事が終わった後ヒマ?…話があるんよ。」
!?
まさかの、ゆかちゃんからのお誘い。
それだけで癒えた。傷は癒えたよ。
「偶然!のっちも話したいことあったんだ。」
「じゃあ、仕事終わったら のっちの家行っていい?」
「いいけど…部屋、汚いよ?」
「知ってる。」
「…そうですよね。」
「のっちー、かしゆかー!」
ゆかちゃんと話してたら、あ〜ちゃんがあたし達を呼ぶ声が聞こえた。
のっちよりも早く来て、スタッフさんとお喋りしてたみたい。
あたし達はスタジオへと向かう。
第一段階はクリア。
自然な会話ができた。
後は、想いを告げるだけ。
頑張れ、自分!
今日の仕事は雑誌の写真撮影。
この後、ゆかちゃんが家に来るってだけで気合いが入る。
仕事は順調に進み予定より早く終わった。
スタッフさん達に挨拶をし終え、ゆかちゃんとのっちの家に行く。
家に着くまでの時間。
2人とも何も話さなかった。
空気までもが強張っているのがわかる。
さっきまでの楽屋での雰囲気はどこいったの?
ゆかちゃんからお誘いを受けて、うかれていたけど…
よくよく考えてみたら、話しって何?
何だか不安になってきた。
どうしよう。
でも、そんなこと考えてる間に家に着いてしまった。
とりあえず、ゆかちゃんを家に招き入れる。
「うわ、ホントに汚いね…。」
「だから言ったじゃん。汚いよって。」
部屋に入っての第一声が、汚いね だった。
だけど、空気はさっきより柔らかくなったみたいで
少しだけ安心した。
最終更新:2009年08月01日 22:50