ただ今、ゆかちゃんは新曲のキャンペーンの真っ最中。
テレビに雑誌、ラジオ。連日のように、繰り返される宣伝活動。
目まぐるしく過ぎていく日々。
くる日もくる日も、同じようにされる質問に
くる日もくる日も、同じように最高の笑顔で応える彼女。
のっちだったら、もういいよ同じことばっか、て絶対に思っちゃうね。
お願いだから、一括してくださいって。
疲労もそろそろピークのはずなのに、ほんと…
彼女の仕事に対する心意気には、頭が下がる。
そりゃ、同年代の子たちが、気ままな青春を過ごした時間を全て芸能活動に費やしてきたんだもんね。
それにしても、今日の彼女はご機嫌。
だって、久々の握手会ですから。
人気が出るまでは、何度もやったことあるけど、一気にブレークしてからはやらなくなった。
いや、できなくなった。それどころじゃなくなった。。。かな?
それでも、彼女は、ファンの人たちとの触れ合いを大切にしたくって
- たぶん、触れ合うことで、自分の存在を確認したいんだろうけど…
今回のキャンペーンで、また握手会をしたい!って言い出したんだ。
上のお偉いさん方は、なかなかGOサインを出さなかったけど
のっちも必死に、動き回って、なんとか実現にこぎつけた。
だって、彼女の願いはできる限り叶えてあげよう、そうあの時、誓ったんだから。
それにしても、ほんと嬉しそうだね。
こういう、“生”の現場にいるときの彼女は、いきいきしていて、ほんとかわいい。
あぁ、まだ20歳そこそこの女の子なんだぁ、、、なんて。
あ、かわいい女の子だ。嬉しそう。
おぅ・・・こりゃ、なかなかキモヲタ君だな
- もちろん笑顔は崩さないけど、「きもいっ!」とか思ってんだろうな。
ん?…あ、もう昔から、ゆかちゃんのこと応戦してくれてる人、だ。
こんな人たちに支えられて、確実に彼女はここに存在してる。
少し離れたところで、様子を窺っていると・・・
ん?
「あの?」
「あ、はい?」
「マネージャーさんですよ、ね?…かしゆかちゃんの」
「え、あ、はい」
目の前には、女性の二人組。
一人は、きゃーって、なんだかとてもはしゃいでる。
「握手してください!」
え・・・なんで?と思いながら、勢いに押されて、手を差し出す。
わぁ、すごい!なんて言いながら、キャピキャピしてる。
うぅ、、、のっち、キャピキャピしてる感じ、苦手なんよね…
少々、戸惑いの中、もう一人の方が
「すみません、いきなり。あたしたち、マネージャーさんのファンでもあって」と。
ふぁん・・・?のっちの?…いやいや、それはないでしょ!
あたふたしてると、その彼女は
「あ、かしゆかちゃん、ラジオとかでのっちさんのことたまに話してるから」
あぁ・・・たしかに。
「それに、イベントとかで傍で支えてる姿に好感持ってる人、けっこう多いんですよ?」
へ、はぁ、、、そうなんだ。あ、てかこの人、ブレイクする前から、ずっと応援してくれてるファンさんじゃん。
「ありがとう、ございます」
ふふっと笑う。・・あ、かわいい。。。て、いやいや、なに言ってんの自分!
「でもほんと、ゆかちゃん一時、元気なかったけど、のっちさんがマネージャーになってから
また、いきいきし始めて、、、うん、ほんと、ファンとして安心できたっていうか・・・」
うわっ、そういうのって、、まじ嬉しいや。
再び、『ありがとう』、ぺこりと頭を下げようとした瞬間、、、
「のっちー!」
すぐそこで、ゆかちゃんが呼ぶ声。
「はい!あ、すみません、失礼します」
軽く一礼し、彼女の元へ向かう。
「はい、なんですか・・?」
「…別にぃ・・・」
「はっ?」
「あ、そのっ、、のっちがファンの子に囲まれて、困ってるように見えたから・・・」
「…はぁ」
「助け舟だしてあげただけ!なんか、文句ある!!?」
「いやいや、そんなことないです!」
ん?・・・あぁ、、、w
「ありがとうございます」
顔、にやけてないかな?
「もぅ!・・・そこにいんさいや…」
「はい」
きみの少し斜め後ろ。
キレイな黒髪からちょこっとのぞくちっさな耳は
ほんのりと紅くなっているような気がした。
まいったな・・・
これだから、離れられないんだって。
最終更新:2009年08月01日 23:06