Side K
のっちを布団の敷いてある部屋まで案内して、私はまたリビングまで戻る。
あ〜ちゃんが言った『好き』
のっちが『好き』って言ったことがきっかけなのかも。
だとしたら、もしかしてあ〜ちゃんが本当に『好き』って言いたい相手は私じゃなくて…。
でも、あ〜ちゃんは伝えたくないのかな。
『友達』って言っちゃったから。
それとも、まだあの人を『好き』だから?
そこへお風呂上りのあ〜ちゃんがやってきた。
「ゆかちゃん、もしかして待っててくれたの?」
「うん。久しぶりにあ〜ちゃんの髪の毛乾かそうかと思って。」
ドライヤーを掲げてあ〜ちゃんに見せる。
「え!ホント?それ嬉しいw」
ニッコニコ顔でソファーに座る私の前までやって来て、後ろを向いてちょこんと座っておっ掛かってくる。
「ゆかちゃんしてくれると気持ち良いんだよねー。」
「終る頃は眠そうだもんね?」
「エヘヘ♪」
ドライヤーのスイッチを入れて、ブラッシングしながらあ〜ちゃんの髪の毛を乾
かしていく。
時々、顔の向きを変えたりして、私がしやすいように動いてくれるあ〜ちゃん。
あ〜ちゃんの髪から漂うシャンプーの香りに安心する。
しっかり髪の毛が乾ききった頃には、案の定眠そうなあ〜ちゃんの声。
「ゅかちゃん、ありがとぅ。ぅにゃ…。」
あ〜ちゃんは脇にあった私の膝に、顔を乗せてくる。
「もぅ、あ〜ちゃんくすぐったぃよぅw」
「動きたくなくなちゃったぁ。」
「ちゃんと寝ないと、スッキリしないよ?」
「うんw」
あ〜ちゃんはとってもご機嫌みたい。
だから、聞こうと思っていたことを聞くタイミングを逃しちゃった。
でも、ちょっとだけ
「あ〜ちゃん、さっき好きって言ってくれたけど、私も好きだからね?」
そう言うと、またちょっとだけ間があいて。
「うん。あたしも大好きw」
私の膝を指先で少し弄りながら、そう言ってくる。
だから、くすぐったいってw
「だから、無理だけはしないでね?」
「ぅん。」
「…そいじゃ、うちらも寝ますか?」
「うん。」
Side A
お風呂から上がって、ゆかちゃんがあたしの髪を乾かしてくれて。
すっごく気持ちよくて、もうこのまま寝ちゃいたいよ。
そう思って、すぐ側にあったゆかちゃんの膝に凭れていたら。
「私も好きだからね?」って言うゆかちゃんの言葉に、自分の気持ちを思い出してしまって、少し反応が遅くなった。
続けて「無理だけはしないでね?」そう言って心配してくれる。
ゆかちゃんには何も言っていないけど、付き合いが長いからちょっとした変化でも分かっちゃうこともあるみたい。
だから隠し事なんて出来ないんだよね。
かといって、無理に聞いてこようとはしいで、あくまでもあたしから言えるようにしてくれたり、タイミングをつくってくれる。
でもこの気持ちはまだ言えない。
コレは、あたしがなんとかしなくちゃいけない。
だけど、一つだけ…。
「なんか、あ〜ちゃんと一緒だとうれしいやw」
今日はゆかちゃんのベットで一緒に寝ようね。って約束してたから、お邪魔させて貰っている。
ちなみにのっちは、すぐそこに敷いた布団で寝ている。
「久しぶりだしね?」
「そだねw」
なんて笑いながら手を繋いでくるゆかちゃん。
可愛いなぁなんて思ってたら。
「言いたくなったら、いつでも言って良いからね?」
「え?」
一瞬動揺する。
「『好き』ってw私はいつでも大歓迎だからw」
ビックリした、あたしの気持ちかと思った。
「ふふwうん、そうするね?」
その言葉に甘えても良いの?
「今日は、もう良いの?」
あたしを見つめてくる優しい瞳。やっぱり気付いてるのかな…。
「ゆかちゃん…。」
「ん?」
「好き。」
「うん。」
繋ながれた手に、少し力を込めた。
「好き。」
「うん。」
同じだけ力を込めてくれるゆかちゃん
のっちのことも…
「…好き、なの。」
「うん。」
ただ優しく返事してくれる。
ゆかちゃん、ごめんね?
一つだけ、甘えさせてくれるなら
のっちに言えるようになるまで
『好き』って言わせて欲しいの
あたしが何も言わなくなると
「もう良いの?」
「うん。ありがとぅ。」
確認すると、そのままと抱きしめてくれて。
「じゃぁ、おやすみ。あ〜ちゃん。」
「うん、おやすみ。」
「良い夢見れるといいね。」
「うんw」
今夜はどんな夢を見るかな?
のっちはどんな夢を見てる?
どうか
素敵な夢でありますように…
—つづく—
最終更新:2009年08月22日 20:42