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ーnー


梅雨ももうすぐ終わる。


風邪で寝込んでしまい、二人の活動に追いつくため
いくつかの仕事を、後追いでこなす。


撮影の合間。
なんとなく、一人になりたくって屋上に上がった。




ふぅ・・・


上がってきたものの、霧雨のように雨はざわついている。

雨のかからないとこを探す。


この前、ゆかちゃんが部屋に来たときのことを
ぼんやりと思い返していた。


夢、、じゃなかった、、、よね?


なんだか、あの日は
久しぶりにぐっすりと眠れた。


ゆかちゃんの香りに包まれたから、、、、かな?



それにしても
熱に浮かされていたからといって
なかなか、際どい会話、してた、、、よなぁ・・・


もしかしら・・・

いや、、きっと・・・


たぶん・・・



想いは、二人とも

あの頃とは、変わないんだろうね…?





でも、のっちには


こんなことになってしまった“わけ”が
今も、さっぱりわからん・・・
ゆかちゃんに、別れを告げられた、わけ。


わかるのは
ただただ、ゆかちゃん?
貴方が愛しい、、、それだけ、だ。


だから、きっと

きっと、たぶん


のっちが、オトナにならなきゃ


同じことの繰り返しになるだけ、なんでしょ?



じっとりと纏わりつく湿度。


でもさ、結局のところ

のっちにできることなんて

変わらず、想い続けることくらい、、、なんだよね。


進歩ないな、ほんと・・


♪〜

っ!


びびった・・・誰だろ?ディスプレイを確認・・・・・ゆかちゃん、だ。


より一層、心音が狂う。
だって、、初めてだ。
別れてから、ゆかちゃんから、連絡がくるの、、は。


「…もし、もし?」
「…もしもし、、、のっち?」
「ん?どうしたの?」
「ごめん、撮影中?」
「んーん、、休憩中」


ぐーっと、記憶が遡っていく。
まだ、二人が幸せだったころへ。


「そっか・・・」
「うん・・・」

沈黙が霧雨に溶けて、このカラダを包み込む。


でもなんでかな・・・そんなにヤな感じはしない。


「どしたの?」
再び同じ問いを投げかける。


「うん、、、ちょっと・・・」


雲間から、光が射した、、、気がした。


「ゆかは、、、やっぱり、のっちが好き」


「のっちが好きなの。誰よりも、、、
んーん、誰かと比べることなんかできん・・・」




うだうだ、出口のない迷路を彷徨っていた思考回路が、停止した。


雨、、、上がった?
音が消えた。



「のっちが、大好き」


あぁもう・・・・ズルい!


だって知ってるでしょ?
のっち単純だもん。
めちゃ好きな人に
めちゃくちゃ愛しい人に
大好きって言われてさ、、、


うだうだ、考えたって答えがでないことは
雨に流してしまってさ
あーだこーだ考えたって、たどり着いちゃう真実を
この空に、放り投げちゃおっか?


あ・・・

見上げた空には、虹がかかっていた。


「あ・・・」

のっちの心の声のスピーカーのように
ゆかちゃんの声が、耳に響く。


「のっち?」
「ん?」
「虹・・・」
「うん」
「え、、そっちも見えるん?」
「うん、見えるよ」
「そっか、、、あの日、みたいだね…?」


あの日。
のっちが、ゆかちゃんに告白した日。
人生で1番、心臓がバクバクどきどきしてた日。

あの日も、空には虹がかかっていた。


二人が、始まった日。


「あ、ごめん、、なんもない、ごめんね・・
 今さら、勝手なことばっかー
「おかえりなさい」
「えっ?」
「おかえり、ゆかちゃん」


ずっとずっと、待っていた。
貴方のこと。
だったら、答えは一つ。
いや、もとから、答えは一つ、だ。


もう一度、始めよう。

また同じこと繰り返すかもしれない。
けど、求め合う限り、何度だって
始めればさ、、、いいんじゃない?





「…た、ただいま?・・のっち」
「おかえり、ゆかちゃん」
「・・・いいの?」
「他に、帰るとこあるの?」
「・・・ない」
「のっちも、だよ」


虹はあの日と同じくらいキラキラしていて
雨上がりを、確実に告げてくれていた。


「授業終わったの?」
「あ、うん。のっちは?」
「あと、取材が一つかなぁ」
「そっか・・今日、のっちとこ行っていい?」
「んー・・・ハンバーグ食べたい」
「えっ?」
「ゆかちゃんのハンバーグが食べたい」
「ふふっwわかった。ご飯作って待ってるね」
「あ、でも鍵・・
「合鍵、持ってるから、大丈夫だよ」
「あ、そだったね」
「じゃ、また後でね。仕事がんばって」
「うん、ありがとう。また後でね」


そう言えば、今日
長く続いた梅雨があけるとか言ってたっけ。


ほんと、長かったなぁ・・・


目の前の虹はもう、消えかかっていた。


それはきっと

ココロん中に溶けて

ゆかちゃんのココロへと渡り、想いも渡す。


それで、いいんだと思った。


のっちは、アホだから、難しいことはわからんけど



想いが変わらない限り


何度でも始めれば。。。


それで、いいんだと思ったんだ。






最終更新:2009年08月23日 23:15