(side.K)
あたし達は、仕事が終わってのっちと別れたあと、歩きながら二人で話していた。
話している内容は、もちろんのっちの事。
「ふふっ…」
「どうしたんじゃ?ゆかちゃん」
「さっきののっちの顔、思い出して」
あの慌てた顔…すごく可愛かった。
「あぁ…ふふっ。可愛かった…のっち」
すごく難しい顔をして、あたしとあ~ちゃんを見つめていたのっち。
「多分、ゆか達のこと、悩んでたんだろうなぁ」
「…うん。たぶんね」
あたし達は、知っている。
のっちと、お互いの関係のことを。
気づいたきっかけは、本当に些細なことで。
のっちの、あたしやあ~ちゃんに対するまなざしが変わったこと。
二人ともすぐに気づいた。のっちわかりやすいから…。
のっちのあ~ちゃんを見つめる目は、何者も寄せ付けない強い光を宿してる。
まるであ~ちゃんを守るように、愛しさを込めたまなざしを向けているのだから。
気付かないわけないじゃない? 二人の関係に。
それであ~ちゃんに聞いたところ、やっぱりそうだった。
のっちは、あたしと付き合いながら、あ~ちゃんとも付き合っていた。
知った時はさすがにショックを受けたし、のっちに対する怒りもあった。
でも…やっぱり好きだから。愛しているから。
あたしはのっちを許してしまったんだ。
(side.A)
仕事が終わり、のっちと別れて私はゆかちゃんと帰途に就いた。
ゆかちゃんと話しながら、私はのっちの顔を思い浮かべていた。
「ふふっ…」
「どうしたんじゃ?ゆかちゃん」
「さっきののっちの顔、思い出して」
なんだ、ゆかちゃんものっちの事考えてたんだ。
「あぁ…ふふっ。可愛かった…のっち」
すごく真剣な顔で、私とゆかちゃんを見つめてたのっち。
「多分、ゆか達のこと、悩んでたんだろうなぁ」
「…うん。たぶんね」
私たちは知っている。
のっちと、お互いの関係のことを。
気づいたのは、本当に些細なことがきっかけだった。
のっちの、私とゆかちゃんを見つめる瞳の色が変わったから。
私もゆかちゃんもすぐ気付いた。のっち、嘘つけない子じゃからね。
のっちのゆかちゃんを見つめる瞳は、すごく輝いていて。
まるで女神様に憧れている人間のように、切なさを宿した熱いまなざしを向けている。
さすがにそんな瞳をしてたら、気付かないわけない。
ゆかちゃんに聞こうと思ったけど、勇気が出なくて聞けなかった。
でも、ある日ゆかちゃんからこの話をしてくれて。
ショックだった…ゆかちゃんとも付き合ってたなんて…。
予想はしてたけどやっぱりキツいよ、のっち…。
別れようと思った。でも…やっぱりのっちを愛してるの。
のっちはダメな王子様だけど、愛してるから…離れられない。
(side.K+A)
「でも、のっちすごく慌ててたね」
「のっちの事じゃから、バレなきゃいいとか考えとったんじゃ?」
「ふふ…ありえるよ、それ」
「ね~。ありえるね」
「…とりあえずは、のっちがどこまでうまく隠せるか見物じゃね」
「どうせ、すぐバレるじゃろ」
「もうバレてるしね。ふふ」
「ゆかちゃん、覚えてる?…のっち、楽屋出る時鼻の下伸ばしてた」
「うん。覚えてる。鼻の下伸ばして、やらしい事考えるときの顔しとったね」
「………」
「………」
「ゆかちゃん、あ~ちゃん嫌な予感がする…」
「うん、あたしも。のっちの事だから、バレてるってわかったら開き直りそうじゃ」
「うん…」
「3人でしよう!とか言い出すかも」
「なっ…。それは…」
「もし本当にそうなったらどうする?3人でする?」
「…ゆかちゃんは?」
「う~ん…それもいいかもね。あたしはあ~ちゃんも好きよ」
「あ~ちゃんも、ゆかちゃんのこと好きじゃけど…恥ずかしいよ…」
「まぁ、最終的にはのっち次第かな。ね?」
「そうじゃね。のっちが3人でしたいって言うなら…あ~ちゃんは…」
のっちが望むなら、なんだってしてあげる。
あたし(私)達は、のっちを愛しているから。ね?のっち!
{その頃のっちは}
「ふぁ、ふぁ……はっくしょんっ!!」
ん~…風邪かな?服着ないで抱き合って寝てたからかな。
でも3人でかぁ…いいかも…。
……はっ!何でバレること前提なの?!
バレちゃダメなんだよ~!のっち頑張るんだから!!
でも3人でしてみたいな~……!……だからダメだってばっ!!
{一人で妄想と闘っていた}
"hush" 番外編 END
最終更新:2008年10月11日 01:41