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side K


お互いの小指に繋がってるはずの糸が"もつれた"みたい。


少し引っ張れば元通りになりそうな"もつれ"を見て見ぬふりをして、、、


そのうち元に戻るでしょ、って言い聞かせて、、、



「ゆかちゃん」
「ん?」
「帰ろ」
「うん」


手さえ握ってくれなくなったのも、見て見ぬふりをして。


ゆらゆら彷徨う右手。



「明日、楽しみだね」
「映画?」
「うん」
「久しぶりのデートだもんね」
「うん、楽しみ」

全然、楽しみにしてる様には聞こえないのも見て見ぬふりをして。


笑顔で線路を越えてみせる。





side N



あの日から、手を繋げなくなった。

なんだろう、、、
ゆかちゃんに触ったらいけない気がして。




「はぁ…」

こんなんで、明日あいつとゆかちゃんと映画なんて…


長い坂道が、永遠に感じた。


「大本さん」
「…」


ねぇ、なんで?
いい加減ほっといてよ。
こんな所まで追っかけてこんでよ…


「無視?」
「…」


もう、何も言わないで、触れないで、聞かないで、、、。


「明日、樫野に告白するよ」
「…」
「一応、言っとこうと思って」
「…」
「良いよね?」
「…何が?」
何が良いの?
「だって、樫野のこと信じてるんでしょ?じゃあ良いよね?」


良くないよ…。


「信じてるんだもんね?」

それでも…

「信じてあげなよ」


ゆかちゃん、信じてるから…だから、
「良いんじゃん…別に」


私は頷いたんだよ?






side K


♪〜

ウトウト、夢の世界に行きかけてたら、携帯が私を呼び止めた。


「ふぁい…」
『あっ、ゆかちゃん?』
「のっち…どしたん?」
『ん…えっと、、、明日、、、』
「ん?」
『のっち…行けん』

一瞬で色んな事を考えた。

「なんで?」
『…両親がね?戻って来るの…』

なにそれ。

「急だね」
『うん…急なの』

「…」
『ごめんね?』
「良いの?」

男の子と2人っきりだよ?

『大丈夫』
何が大丈夫なの?
そんな震える声で言わないでよ。

『楽しんできて』
哀しげに呟かないでよ。

「…うん」

のっちが居ないと楽しくないよ。



「のっち?」
『なに?』
「…なんでもない」
『もう…夜遅いから』
「うん」
『おやすみ』
「おやすみ」


"おやすみ"が凄く凄く、苦しいのも…見ないふり、、、




side N


両親が帰って来るなんて、嘘。
てか本当なら、急すぎるよ…。
海外だもん。


ゆかちゃん、、、気付いたかなぁ…。

気付いた…よね?
のっちみたくアホじゃないもん。
あー…見え透いた嘘吐いちゃった。
また、傷付けた…。
ダメだ…。
どう転んでも、ダメだ…。



————…

『告白するから…』


そんなの知っていて、一緒に笑ってなんていられない。

きっと、この前みたく黒い何かに飲み込まれて、ゆかちゃんを傷付けてしまうよ。




焦って、傷付けて
不安で、傷付けて




ゆかちゃん、のっちはね?ゆかちゃんが傷付く所なんて見たくない。
ゆかちゃんを傷付けるものがあるなら、のっちが守ってあげる。
でも、もしそれが、のっちなら…のっちは、、、

「一緒になんていられないよぉ…」








最終更新:2009年09月03日 19:17