学校初日。
あたしは一年生。
のっちは三年生。
今日から新しい生活が始まる。
「ドキドキするね。」
「うん…。あー…友達出来るかな。」
「のっち、人見知りだもんね。」
「うん…。あ、帰りは一緒に帰ろうね。」
「えーどうしようかなー。」
「お願いします!ゆかちゃん。ね?ね?」
「うーん。」
「帰りにアイスおごってあげるから。」
「…しょうがないなー。」
「わーい!ありがとう!」
のっちはバンザイをして喜んでいる。
たかが一緒に帰るくらいで。
家が一緒だから、一緒に帰るのは当然なのに。
時々、本当に年上なのか疑ってしまう。
隣りにいた先生も笑っている。
ほんと、アホなお姉ちゃんだこと。
「じゃあ、ゆか四階だから。また帰りね、のっち。」
「うん。」
一年生は四階。
三年生は二階。
なので、のっちとバイバイして階段を上がっていく。
「じゃあ樫野さん。先生が合図したら教室に入ってきてね。」
「はい。」
そう言って先生は教室に入っていった。
…緊張するなー。
中から先生の声が聞こえてくる。
「えー、今日から新しい生徒がこの学校に転校してきます。」
あ、騒がしくなった。
ヤダな。こういう雰囲気好きじゃないな。
やっぱ無理言って、のっちに一年生になってもらえばよかったな。
教室のドアがガラリと開いた。
「樫野さん、入ってきて。」
教室の中に入ると、みんなの視線が一気に集まる。
「自己紹介お願いします。」
「えっと…。樫野有香です。夏に広島から東京に引っ越してきました。
訛りとか、まだ出るかもしれないけど、よろしくお願いします。」
パチパチと拍手がおこる。
「じゃあ、樫野さんの席は…西脇さんの隣りで。
西脇さんはクラスの委員長なので、分からないことがあったら何でも聞いてください。」
言われた子を見ると、やわらかいパーマをかけた可愛らしい子だった。
先生に言われた席につく。
隣りの西脇さんって子を見ると、ニコニコした顔でこっちを見てる。
「樫野さんだっけ?あたし西脇綾香。あ〜ちゃんって呼んで。」
よろしくねと言って、手を差し出し握手を求めてきた。
積極的な子だとビックリしつつ握手をする。
「ねぇ、ゆかちゃんって呼んでいい?」
「あ、うん。」
「あたしも広島出身なんだ。」
「え!本当?」
「うん。中学ん時にこっちに来たんよ。じゃけぇ、分からんことあったら何でも聞いて。」
「うん。ありがとう。」
休み時間になると、みんなからの質問攻め。
何て呼んだらいい?とか、彼氏いる?とか。
疲れたけど、みんな優しそうな子で良かった。
あ、そう言えば…
のっち、自己紹介ちゃんと出来たかな?
最終更新:2009年09月03日 20:09