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Side.K



その日は、のっちの家に泊まった。次の日も午前から仕事だったけど、放っておけなかった。
次の日、ちょっと早めに起きて、家に帰る仕度をして、のっちを起こす。

「のっち、のっち、」
「ん……。」
「今日も仕事でしょ?ゆか一旦家に帰るから。」
「んー……。」
「ちょ、のっち。起きなよ。」
「えー…まだ早いよ…。」
「だってこのまま二度寝許したら、絶っ対寝坊するでしょ。」
「うー……。」

ちゃんとベッドから出たのを見届けてから、のっちの家を出た。






家に帰って、仕事行く準備をして、また家を出る。
事務所の廊下で、あ〜ちゃんに会った。

「あ、ゆかちゃん。おはよー。」
「おはよ、あ〜ちゃん。」

あ〜ちゃんは、いつもと変わらない笑顔で、私に手を振った。そのまま二人で控室に向かう。
いつもと何にも変わらない、いつものあ〜ちゃんだ。
じゃあ一体、昨日は何があったんだろう……?

控室のドアを開けると、すでにのっちが来ていた。
ちょっとびっくり……まぁ、ちょっと早く起こしたんだし?


「あ、ふたりとも、おはよー。」

PSPから顔を上げたのっちは、いつもみたいに声をかけてくれたけど、目はひたすらあ〜ちゃんを追ってた。
……そりゃあ、不安だよね。

「のっち今日早いんじゃね。どうしたの?」
「え……と、」

あ〜ちゃんは、全くいつもと同じ調子でのっちに聞いた。
戸惑って俯くのっちを見てた私は、咄嗟に口を出していた。

「あ、夕べ、ゆかがのっちの家に泊まったんだ。だから今朝、のっちを起こしてあげたんよ。」

そう言った瞬間。
本当に一瞬だけ。
あ〜ちゃんの目に、驚くほど冷たい光が宿ったのを、私は見逃さなかった。

「そうだったんだ。……のっち、ちゃんと自分で起きんさいや。もう。」

あ〜ちゃんはそう言って、すぐに笑った。
だけど、さっきの瞬間を見てしまった私は、頬が強張って上手く笑い返せなかった。

ねぇ、あ〜ちゃん。
あの一瞬、何を考えてたの……?




Side.A



「そうだったんだ。……のっち、ちゃんと自分で起きんさいや。もう。」

そう言った私は、上手く笑えてる?

これまでだって、ゆかちゃんがのっちの家に泊まるなんて、何度もあったのに。
それにゆかちゃんは、私とのっちのこと応援してくれていたのに。
だから、それくらい何にも心配することじゃないのに。


どうして、私は……
こんなに嫉妬に囚われるんだろう?



のっちが浮気なんか、あるわけない。ありえないでしょう?
そう自分に言い聞かせて、笑顔を取り繕った。



ねぇ、のっち。
あんまり、他の人のとこ、行かないでよ。

ねぇ、ゆかちゃん。
あんまり、のっちにくっついてないでよ。

そうじゃなきゃ、あ〜ちゃんは…


誰かを、壊してしまいそうだよ……。







最終更新:2009年09月03日 20:28