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小さい頃、私達は会った事がある。
だから、私は樫野さんが気になったんだ。
樫野さんが私に近づいて来たのも昔した約束のため。
樫野さんはずっとあの約束を覚えていたんだ。
なんて事ない、幼い頃にした約束。でも、樫野さんにとっては大切な約束だったのかもしれない。
私は気付くのが遅すぎた。
だからと言ってどうすればいいのかなんて分からない。けど、今すぐ樫野さんに会いたかった。
会ってどうするのかって?そんなの決まってない。ただ、会いたかった。それだけ。
それなのに、次の日から樫野さんは学校に来なくなった。
樫野さんの家を調べようと思えば出来たけど、実習生の私にはそこまで出来る権限はない。
会えないまま、実習の最終日がきた。
私は結局何も出来ずに実習を終えるのか。
私の気持ちは浮付いていて、あ〜ちゃんを安心させる事も樫野さんに会う事も出来ないままだ。
今日を終えて、また時間が経って私は樫野さんを忘れるのだろうか。
多分、そうなればあ〜ちゃんを安心させて私達は長く続くのかな?
でも、本当にそれでいいのか?
樫野さんとの約束を守れずに、樫野さんを傷付けるような事をしていいのかな。
もう、どうすればいいのか分からないよ。



全ての実習を終え高校を後にする時、保健室の担当の先生に手紙を渡された。
その手紙には「私の事は忘れて。恋人を大切にしてあげて。」と書いてあった。
この手紙は恐らく、樫野さんが書いたものだ。
そんな…。忘れろって。何でよ…。思い出させたのは樫野さんじゃん!
こんな気持ちにさせといて忘れろはないじゃん!
どの決断が正しいのかわからない。
いや、この世の中に正しい事なんてないのかもしれない。
分からないことだらけのこの世の中には正しい事なんてない。
正しい事も時には正しい事ではなくなる場合があるし、その逆もある。
多分、多分だけど。今自分自身が思ってることが大事なんだろうね。
良い方に進むか、悪い方に進むかなんて今分かるはずはないんだから。
今、私が思ってる事。
それが大事なんだよね。




つづく







最終更新:2009年10月22日 16:16