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《過去》


サイドA


いつまでたっても確信に触れないのっちと、いつまでたっても欲を抑えられない私の、このアンバランスな関係がガラガラと音を立てて崩れてく。
“わかってるよ”なんて、わかりたくないことも全て飲み込んでくれたのっち。愛しい指先も震えたままで。垂れた目尻は悲しみで染まってて。のっちにそんな顔させたかったわけじゃない。
“熱が足りない”なんて都合のいい理由をつけては、のっちの悩み事を増やした。そんな理由、言い訳にしかならない。
ねぇ、のっち?どうしたら戻ってくる?
もう無理なこと、わかってる。そうしたのは他の誰でもない。自分自身。


ねぇ、のっち。
興味がなくなるくらいなら、いっそのこと心の底から私を嫌って?お願い。
顔も見たくない!って。
声も聞きたくない!って。
もう会いたくない!って、そう言って突き放してよ。お願い。
心の底から嫌われたいの。
のっちの嫌いな女になりたいの。
興味がなくなるくらいなら、忘れられてしまうくらいなら、
世界一嫌な女になって、それで終わりにしてよ。お願い。
そしたら一生忘れないでしょ?だから、お願い。


なんてね、、。
本当は嫌われたくなんかないし、一番の願いはのっちが私を好きでいることだよ。
それが無理でも、“忘れる”なんて思わないで。




《過去》


サイドN


人を幸せにする力って、どこで手に入るのかな?どうやったら手に入る?そもそも手に入るの?
神様がいるのなら、ねぇ、神様?のっちね、どうしても幸せにしたい人がいるんです。何回も傷つけちゃったから、今更そんなふうに想ってくれなくていいよ。って言われるかもしれないけど。
でもきっと、心底優しい人だから“ありがとー”って笑うかな?のっちにはわからないけど、神様なら何でもお見通しだよね?
あの子、今、何してる?
会わなくなって、知らないことが増えて。でも“それでも平気”って思えるようになったことは決して望んだことじゃないから、のっちにとってそれは幸せなんかじゃない。
身勝手かな?会わなくなったら、知らないことが増えるのも当たり前なのに。どうやったら、あの子は幸せになれるかな?


のっちみたいに単純なら、カレーでも食べときゃご機嫌になれちゃうけど、あの子はそうもいかないよ。相変わらず好き嫌い多いし。
のっちみたいに単純なら、グーグー寝ちゃえば次の日ケロッとしてるけど、あの子はそうもいかないよ。寝不足みたいだし。
のっちみたいに単純なら、あの子が笑えば笑えるし、のっちが笑うと優しく目を細めてくれるけど、どうものっちそれじゃダメみたい。だって溜め息の数ばかりかぞえちゃって。
“幸せになって”心でおまじない。いつだって唱えてるのに、寂しげな横顔ばかりが目につくんだもん。


ねぇ、神様?のっちね。
どうしても、かしゆかには幸せになってもらいたいの。
そんでね、神様?のっちね。
出来ることなら、幸せにしてあげたいんです。






最終更新:2009年10月22日 16:33