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「位置について…用意っ!」

ドキューーン!!

始まりました、3年女子によります400mリレー!
第一走者は陸上部の高橋さん。
頑張れ高橋ー!行けーって…速い。速いよ高橋さん!さすが陸上部!フォームが抜群に綺麗!てか足めっち綺麗!舐めたい!しかも1位じゃん!すごいよ高橋さん!

続く第二走者はバスケ部の田中さん。
行けー………って、やばいそのまま1位だ!あ、でも2位と僅差。えっうそマジでそのパターン1番やなパターンじゃん。うわっマジ競り合ってるよやばいどぼじよ"う"…!これはかなりきつい、精神的にきついよ田中さん!
…くる、きっとくる、きっとくるくるくるくるくるキター!!!

「はい!」
「はい!」

もー考えても無駄だ!のっち行きます!あ〜ちゃんのもとへとー!うおぉぉぉぉおおお止まんねぇぜっ!昭和が生んだ平成の暴走列車アヤノータとはあたいのことよっ!
行け行け行っけー!あたしの両足!
あ、やばい抜かれた。
あ〜ちゃんは…左から2番目!

「はい!」
「はい!」

あ〜ちゃん、あとは…まか…せた…。
後続の邪魔にならないようにトラックの内側に入ったとたん、ガクっと力が抜けた…。あ〜ちゃん!行けあ〜ちゃん!頑張れあ〜ちゃん!

アンカーは大好きな西脇さん。
ふがいないのっちの尻拭い頼みます!
あ、行け!抜け!抜いてくれ!いけるいけるいけ、いったー!あ〜ちゃん本当に抜いちゃったよ!マジ足速いじゃん!
バっ!と両手を上げた瞬間、テープが切れて爆発音が響いた。
1位だ…うちのクラスが1位だ!やったーすごい!こうしちゃいられない!
まだ少し震える膝に喝を入れるように、あ〜ちゃんのもとへ走った。

「あああ〜ちゃぁぁああん!」
「わっ!のっち、」

走ってきた勢いそのままあ〜ちゃんに飛び付く。もうあ〜ちゃん好き!すごいよ1位おめでとう!

「あ〜ちゃんありがと!大好き!」
「ふふふ〜っ。1位じゃね!」
「あ〜ちゃんのおかげだよ本当ありがとう!」
「皆頑張ったもんね!わっ、」

「あ〜ちゃんやったー!」

高橋さんと田中さんもやってきて、あ〜ちゃんに抱きついてるのっちごとあ〜ちゃんに抱きついたた。

「ほんと、のっちが抜かれた時どうしようかと思ったけど。あ〜ちゃんがいてくれて助かったわ!ありがとう!」
「ハハハハ」
「いやいや、皆速かったもん!あ〜ちゃんだけじゃないよ。まずくみちゃんが1位なってくれたからこその1位だよ!」
「ソウダソウダ」
「いや〜そんなこと…あるか!」
「はは!あるある!くみこしかもさすがにフオームすごいキレかったよ!」
「陸上部だからね!でも大本さんも頑張ったよね?始まる前ぶつぶつ独り言言うくらい緊張してたのに。」
「えっ!…高橋さん…、そんなこと言ってくれるの高橋さんだけだよっ!ありがとう!好き!」
「わ!ちょっ、大本さん抱きつくな!」
「のっち!くみちゃん嫌がってるけぇやめんさいよ!」
「嫌がってるふりでしょ?てかそれフリでしょ?もっとやれって言う、」
「うわー、この人やばい!」
「のっち!」
「あ、退場始まるよ〜」

田中さんの冷静な声に我を忘れて興奮してた熱が少し冷えた。
抱きしめてた高橋さんから離れると、何事もなかったかのように高橋さんは田中さんと一緒に退場門へ向かう。
のっちもそのあとを追おうとした時、ぐんっと後ろからお腹に力が与えられた。せ、背中にあるこの感触は…まさか

「あ、あ〜ちゃ、」
「…のっちもかっこよかったよ?」

頭のすぐ後ろでする空に溶けて響かない声に、脳みそを溶かされそうになった。
でもまたすぐに、お腹に与えられてた力はなくなって、
後ろにいたはずのあ〜ちゃんがいじわるな可愛い顔して前にたってた。

「抜かれちゃったけどね」

そう言ったらくるっと回って退場門に歩きだす。
揺れるふわふわパーマを束ねたしっぽを見つめて、のっちはしばらく動けなかった。


つづく





最終更新:2009年10月22日 16:51