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K



幼い頃、ゆかは初恋をした。
小学校に上がるまで引越しばかりで、なかなか友達が出来なかった。
ある年の夏。1ヶ月くらい居た土地があった。そこで恋をした。
子供ながらにお嫁さんになりたいなんて言ったけどさ。
でも、ゆかはその約束を信じた。大人になったら必ず会いに行くと決めていた。何処で何をやってるのか全く分からないけど、会えるって信じてたから。
それを信じて高3になった私は初恋の人と会った。
教育実習生で来た、大本先生。そう、この人はゆかの初恋の人。雰囲気で直ぐわかった。
こうやってまた会えた事、本当に運命なんだと思った。
でも、そう思ってたのはゆかだけで先生は約束の事を忘れていた。
忘れて当然だと思う。もう、ずっと、昔のことだもん。
そう思うと昔の約束なんて覚えてるゆかは何やってるんだろうって思う。
それでも、運命だった感じたからさ、先生に近づいたんだ。


でも、近づけば近づくほど、分かってしまった。
先生には今付き合ってる人がいる。確かな事はないけど、そう感じた。
そして、これは運命じゃないんだって思う。
でもさ、それでも運命って信じたいんだよ。だから、先生がゆかに振り向くようにずっと先生の側に居たんだよ。
だから、もう止めようって言われた時ほんとに運命でも何でもないって分かったんだ。


運命じゃないしさ、約束も忘れてるし。…なんか、切ないよね。
でも、先生が幸せならそれでいいよ。
だから、もう会わない方がいいよね。付き合ってる人、大事にしてあげて。



先生は私にとって暑い夏に見る蜃気楼のようなもの。掴めそうで掴めない蜃気楼。見えているだけで手にする事は絶対出来ない。
そう。先生は運命の人ではなく、先生そのものが蜃気楼だった。
ゆかの初恋は蜃気楼だったんだ。




つづく






最終更新:2009年10月22日 16:59