打ち上がった華は漆黒の夜空に鮮やかに色を付けた。
誰もが魅入った華は、一瞬の煌きの後、静かに散っていく。
言葉も出ないまま、繋いだ掌の体温だけがリアルだった。
そっと視線を向けた君の横顔は、華の色を映してとても綺麗。
君の大人びた横顔を遠くに感じて、繋いだ手に力を込めた。
ゆっくりと私に向く君の顔がスローモーションになって、私の心をギュッと締め付ける。
「どうしたの?」
視線だけで会話する。
私は微かに笑って「なんでもないよ」って答える。
そんな関係が心地良い。
君も笑ってる。
「幸せだね」
私の右肩に頭を寄せて呟く君。
いつだって君がいれば世界は色付いて、私はそれだけで幸せになれる。
嘘じゃないよ。
「のっちはずっと幸せだよ。あ〜ちゃんが側にいてくれるなら…ずっとずっと幸せでおれるんよ」
君の頭に私も頭を寄せて、君にだけ聞こえる声で囁く。
「…あ〜ちゃんも…のっちがおるだけで幸せじゃ」
打ち上がる華と響く音が2人を素直にさせる。
「来年も2人で見たいね」
空を見上げながら呟いた。
「来年も一緒に見てくれるん?」
楽しそうに笑う君。
「…当たり前じゃろ」
君とじゃなかったら意味なんてないんだ。
「嬉しい…」
今日の君は甘い。
きっと花火の所為だね。
君の顔を覗き込んで、そっと唇を重ねた。
「…約束の印」
潤んだ瞳に映る花火が綺麗で、そんな君にまた恋をする。
「それじゃ忘れちゃうよ?」
揺れた瞳を逸らさないで君は呟いた。
「なら、もっと…する?」
小さく頷いた君に、私はそっと約束をするんだ。
〜end〜
最終更新:2009年10月22日 17:05