あの日から、しばらく経ったある日。。ゆかちゃんが、中田さんと再会する日になった。
あの日から、特になんでもなかったように、日々のそれぞれの仕事をこなしてきた二人。
傍からは、どう目にうつってたんだろ?あたしたち、二人の姿、は。
本来あるべき、マネージャと担当アイドル、、、かっ。。。。
そんな自虐的な思考に襲われつつ、でも、なにもしなかったわけじゃない。
そうそして、今日が、勝負の日、、、なんだ。
夕方からの、打ち合わせにあわせて、事務所に車を走らせる。
後部座席の彼女は、ぼんやりと窓の外を眺めている。・・・ねぇ、なにを考えてんの?
「・・のっち?」
「はい?」
「・・打ち合わせ、、ちょっとだけでもいいから、中田さんと二人で話せんかな?」
「・・いいです、よ・・・てか、たぶんゆっくり話したいんじゃないかなって思って
他のスタッフを交えての打ち合わせは、少し時間をズラしてるんで・・」
「…うん、そっか、、、ありがと・・・・」
ちょうどいい。のっちも、“社長”に話があるから。
事務所に到着し、会議室に向かう。ふたり、交し合う会話一つない。
部屋の前に到着すると、彼女は大きく深呼吸して、、、、のっちの手を、ぎゅっと握ってきた。
「・・・大丈夫?」
「うん・・」
ぎゅぅっと、手を握りかえす。
「のっち?」
「はい?」
「・・・また、、、後で、ね?」
そう言って、彼女は、扉の向こうに消えていった。
さて、、、と。
さっきの彼女と同じように、大きく息を吸い込む。・・・・・よしっ。。。
向かった先は、社長室。
トントン。。。「失礼します」、、、「どうぞ」
「・・・かしゆか、は?」
「中田さんと、“打ち合わせ”中です、よ、、」
「・・・大丈夫なの?」
「たぶん、、、大丈夫です、、よ」
「で、今日はなんの用なの?」
ふー、、、、ココロん中で、大きく息を吐き出す。。。。落ち着け自分。。。。手の震えが止まらない、、、けど
壁を飛び越えるん、、、でしょ?
「…彼女の、、、かしゆかの新しいマネージャーを探してください」
「・・・どうして?」
「のっちには、もう、、彼女のマネージャはできない、から」
「・・・どうして?」
あぁ、壁の上は、とてつもなく高くって、下を覗くと足がすくんで、心臓がバクバクするね?
でも、、、キミがそこで、待っていてくれるのなら、、、
「ゆかちゃんに、、、恋してる、から、、、んーん、、、愛してんです」
「・・・」
「社長、、、んーん、、、、母さん?のっちは、この先、ゆかちゃんとずっと一緒にいたいんです」
「・・・彼女、は?」
「…きちんとは、、、まだ。散々、不安にさせちゃったから、全部けじめつけてから、と思って」
「…そう・・・」
「彼女を、恋人として支えたい。そんで、、、それ以上に、のっちにはゆかちゃんが必要なんよ」
「・・・」
「ごめんね、母さん。。。世間でいう、娘らしいことは、してあげられない、、、、
けど、のっちにとって、彼女が幸せなんです」
社長でもある、その人は、すーっと大きく息を吸い込んだかと思うと、ふふっと微笑み
「ようやく言ったか、バカ娘」と呟いた。
「え、、?」
「そんなこと、とっくに知ってたわよ」
びっくりしたと同時に、ものすごく納得した。・・・そりゃ、、そっか。わからないことないよね。
「いつ話しにくるかって、思っていたけれど、、、実際にこられると、、、、ね?」
そういって、母さんは少し寂しそうに笑った。
「ごめん、、、これが、のっち。。。あなたの娘なんです」
「うん、、、わかってるって、、」
そういって、母さんは天を仰いだ。そして、、、
「社長として!・・・そんな、うちの出世頭のスキャンダルになるようなことは許せませんっ!」
キッと、するどい表情と、お言葉。だけど、続けて、、、
「…でも、、母親として、、、、ちゃんと伝えてくれてありがとう。。。苦しかったでしょ?今まで、、
今の段階で、全てを受け入れられてるとは、言えないけれど、、、あなたが幸せなら、それ以上のことはないわ」
っ!・・・涙がこぼれる。。。。あぁ、、、最近、涙もろくて困る。
「うん、、、ありがとう・・・」
あぁ、、、なんで、それ以上のコトバがないんだろ?
ありがとう、ぐらいじゃ、このキモチを伝えられないよ。。。けど、、ありがと、母さん。
「なかなか危険な賭けではあるけれど、、、、マスコミには絶対に、バレないようにっ!
事務所としてもいろいろ配慮するけれど、、、そのへんは、わかってるわよね!?」
「もちろん、れすっ!」
「・・・なんで、こんなときに噛むのよ、、、わが娘ながら、情けないわ・・・」
「・・・・」
わずかな沈黙。・・・そして、ふたりで飽きるまで、笑いあった。。。泣き笑いだった、、、かな?
さて、と、、、あとは
ゆかちゃん?
キミに、想いの全てをぶつける、だけ。
最終更新:2009年10月22日 17:50