《現在》
サイドN
何事にも、起承転結があるみたいに。のっちとあ〜ちゃんにだって、それがある、はず。なのに、出会って・求めて・離れたけれど、どんなカタチであるにしろ、“結”がまだできてない。
『ちゃんと終わりにしよ?』
のっちの第二章は、もう始まってる。
一章の終わりがきちんと訪れてもいないのに、また始めちゃったの。
きちんと終わりにして、そしたら、
『また始めよ?ゆかと。』
そんくらい待てるよって、かしゆかは笑って言う。
『待ってると思うよ?あ〜ちゃんも。』
そう言って、かしゆかは笑った。
結局、強くなったのはのっちじゃなかった。
あの時から、多少なりとも強くなったなんて思ったけれど、それは単なる勘違いで。強くなったのはかしゆかで、のっちは強くなったかしゆかに支えてもらってただけで、自分が強くなったと思ってたみたい。
かしゆかは、よく笑う。泣き顔なんかほとんど、見ない。見たのは泥棒みたいにするりといなくなった、あの時、だけ。
ねぇ、あ〜ちゃん。本当はね?
のっち、ちょっとだけ強くなったと思うんだ。だって前みたいにあ〜ちゃんを思い出しては、泣いたりなんかしてないよ?すごいでしょ?のっちにしては、すごいこと、なんだよ。
でもね?そうしなくちゃって思ったから。いつまでもあ〜ちゃんの思い出に傷心して、泣いてばかりいたらダメだと思うから。
だから、ほんのちょびっとだけ、強くなってみたんだ。
でもこれ、ゆかちゃんには内緒にしてるの。
だってさ。強くなんて、ならなくてもいいのなら、別に強くなんて、なりたくなかった。そのままでいたかった。無理して強くなんか、なりたくなかった。
そんなことしたら、あ〜ちゃんのこと、忘れちゃいそうで、怖いじゃんか。なんて。あ〜ちゃんのことは、死んだって忘れないけど。逆に、たまには忘れたい時もあるくらいに覚えてるよ。
これも、ゆかちゃんには内緒にしてるの。
だってさ。そんなこと言ったら、のっちまた大切な人を失っちゃう。もうね、それは怖くて怖くて、しょうがないんだ。あ〜ちゃんの時に、嫌ってほど経験したから。そんな経験は、人生で一度きりで十分だよ。でも、まさかそれが、あ〜ちゃんとの別れだとは、思ってもみなかったけど。
あ〜ちゃん。
のっち、あ〜ちゃんに会いたい。
会って“ありがと”っていっぱい伝えたい。いっぱいいっぱい感謝してるって伝えたい。
そんでね、“ごめんね”って言いたい。
簡単には言えない言葉だけど、あれからもう何年もたって、お互いに第二章が始まって。だから、今、しかないんだなって。のっちはそう思うんだ。まぁ、若干気付かせてもらった感もあるけどね。
ねぇ、あ〜ちゃんは?
あ〜ちゃんは、どう思う?
のっちに会いたいって、思ってくれるかな。
《過去》
サイドN
春の季節に出会った二人は、虚しくも別れまでもが、春。だった。
どっちが悪い。とかってゆう、罪のなすりつけじゃない。
二人とも、悪い。それが真実だと思う。
何事も、先に手を出した方が悪い。と言うのなら、のっちがその罪を全て受けるよ。そんくらい、覚悟は出来てる。
だけど、やっぱり、、二回目は、ないじゃんか。
そんなん、ずるいよ。のっちのせい、なの?
違うでしょ?もうちょっと待ってほしかった。このままじゃ、もう、以前のようには、、、。
考えるだけで、口には出さず。口には出さないけど、態度に出てた。タチが悪い、自分。
でも、ごめん。もう、無理、なんでしょ?お互い。
“好き”って感情は、どっからどこまで?
信じることと、我慢することの、境界線は?
だいたい我慢って、何?
あ〜ちゃんが、他の男の匂いを体に纏っていても、それでも“好き”だから、我慢しろ。ってこと?
かしゆかは“親友”なのに、一切の連絡を断って、不安にさせたくないからと、我慢するのが、正しいこと?
そんな“好き”なら、のっちは、いらない。
そんな“好き”は、別に正しくなんかない。
だから、二人は終わってしまった。
本当、ただそれだけのことだよ。
信じるために、我慢が増えるくらいなら、もういっそ、違う誰かを信じたほうがいい。馬鹿じゃないんだ。そんくらいわかる。ただ、それを認めるまで、なかなか頭が回らなかっただけ。
“それでもなんとかなるんじゃないか?”
二人がそう思っていても、限界は案外あっさり訪れた。
あ〜ちゃん、幸せになれるよね?そいつは、あ〜ちゃんを幸せにしてくれるよね?
ねぇ、あ〜ちゃん。のっちよりそいつは、あ〜ちゃんを幸せにしてくれるよね?
あぁっもう!むしろ!おい!おまえ!
名前も忘れたけど、おまえ。
あ〜ちゃんのこと、たのむから、幸せにしてあげて?たのむよ、、。
のっちはできなかった。
腑甲斐なかった。
でも、懸命に、そう、したかったんだ。
でも、できなかった。
のっちにはもう“幸せにするよ”なんて、言う資格ないけど。
それじゃあ、せめて、願わせて?
お願いだ、あ〜ちゃん。
幸せになって下さい。
傷の数だけ、憎めればよかった。
でも、愛の逆は、憎しみじゃなかった。
涙の数だけ、愛せればよかった。
でも、残ったのは、悲しみだった。
それなのに願ってしまうのは、やっぱりのっちは馬鹿なんだ。
きっと、馬鹿で馬鹿で、どーしょうもなくて。
のっちの中、あ〜ちゃんばかりなんだ。
最終更新:2009年10月22日 17:53