n-side
最低だ。
あんなこと言って逃げ出すなんて。
なんでいつもこうなんだろう。
なんでいつも逃げることしか出来ないんだよ。
ゆかちゃんに失礼だ。
もう合わす顔なんてないよ。
帰る気になれず駅のホームの椅子にずっと座っていた。
「すいません、」
誰かに声をかけられた。
なんだよ。今誰とも話したくないのに。
「あの、かしゆかとどういう関係ですか」
—は?
私は顔を上げた。
そこには見たことない女の子。
見たことない制服。
パーマがゆるくかかった、かわいらしい子がたっていた。
「どういう関係って…てかあなた誰ですか」
「もう、かしゆかに関わらないでください」
k-side
のっちが私への想いを打ち明け、走り去ってしまったあと、ゆかはしばらくその場から動けなかった。
「あれ?ゆかちゃん?」
聞き慣れた声。
「あ〜!やっぱりゆかちゃんじゃ!!」
「あ〜ちゃん」
私のもう1人の好きな人。小さい頃からずっと好きだった人。
「何しとん??こんなとこで」
あ〜ちゃんこそ…
制服だから部活の帰りかな…
「あ、友達…と遊んでて…...帰るとこ」
なんか嘘ってバレバレかな。
「ふ〜ん…。てか、ゆかちゃん大丈夫?なんか顔色悪いよ??」
マジで…
ゆかってそんなわかりやすい子だったっけ?
「家まで送ってこっか??」
黙りこくっていると心配そうに顔を覗かれた。
「大丈夫!ありがとう、あ〜ちゃん。1人で帰れるけぇ」
「…そう」
あ、悲しい顔になっちゃった。
あ〜ちゃんごめんね。
でも今は何も考えらんないんだ…
2人を好きになってしまった今、ゆかはどうすればいいか…
まだわかんないんだ。
「ごめん。あ〜ちゃん…また遊ぼうね」
「…うん!いつでも遊びの誘い待っとるけぇw!!」
「うんwまたね」
こんな時でも自然と笑みが溢れる。やっぱりキミはすごいな。
a-side
見てしまった、
見てしまったんだ。
私の大好きな人が
私の大切な人が
私の知らない人から
告られてるトコを。
部活の帰り、私は駅の近くのコンビニによった。
「あ〜あ、遅くなっちゃったな〜。お母さん心配してるじゃろうか?」
メールをしようと携帯を開いた。
今頃、ゆかちゃん何してるじゃろうか…
ふと、そんなこと思った。
私とゆかちゃんは幼なじみ。毎日のように一緒にいた。毎日のように遊んだ。
なにをするにもゆかちゃんとだったら楽しかった。
いつからかな…
ゆかちゃんを'好き'になったの…
ゆかちゃんの隣が私じゃなけ嫌だって思い始めたのは…
高校で別々になった時、当たり前のように隣にいたゆかちゃんがいなくなって、すごい不安になったんだ。それから余計にこの想いは強くなった。
ふと空を見上げた。
「相変わらず星ひとつないな」
そりゃ見えないか。
曇っとるもん。
最近ゆかちゃんと遊んでない。
なんか最近ゆかちゃんがわかんない。
うそ。最近じゃない。
ずっとわかんない。ゆかちゃんがどう思ってるのか。
みえないだ。くもってて。
そんな時に見てしまったんだ。
私はそれを。
○つづく○
最終更新:2009年10月22日 18:05