袴に黒い着物。さっきまで見てた人たちよりはよっぽど動きやすそうな格好してる。
この人・・・ のっちそっくり!
「あのぉ・・・ あなた、霊ですね?生き霊?死霊?」
とゆーか私の事見えてるし・・・
「私のこと見えるんですか?」
「あぁ、私祈祷師ですから。祈祷師の大本彩乃と申します。」
祈祷師・・・? なんだっけ? なんか式神とか出す感じの人?
てかのっちと名前一緒!ホントにこの世界、あ〜ちゃんものっちもゆかもどうなってんのよ!?
「まぁ霊っちゃ霊かなぁ・・・多分生き霊?」
「そのようですね。あなた樫野様の縁戚か何かですか?よく似てらっしゃる。」
ここはごまかすトコだよね!?
「あぁ・・・ う〜んと・・・・縁戚ではなくて・・・ 妖怪キューティクル女的な?」
「妖怪キュウリ食う女?ふぅむ、河童の縁戚か・・・」
いやいやいや・・・ 違うから。
「ということは、生き霊というよりは妖かぁ。でもあまり嫌な感じは無いですね。」
「そりゃあ。あたし無害だしw」
「あ、そうだ。妖さん、ここの屋敷の樫野様のお部屋に案内してもらえないですかね?」
「いきなりか。ってゆーか妖とかやめてくんない?かしゆか。かしゆかって呼んで。」
「そうか。ではかしゆか。樫野様のお部屋はどこですか?」
「なに、樫野様になんか頼まれたん?」
なんか自分で樫野様とか言っちゃうとぞわってなるねw
「いや、依頼主は西脇綾香様なのですが・・・ 一度も会って頂けた事はありません。」
「なにそれ。ひどくない?」
「いや、貴族だし。身分が高い方はあまり人前に姿をさらすものではないですから・・・」
そういって八の字眉になるのっち改め大本さん。
「なに、会いたいん?」
「そりゃあ、あんなに美しい・・・ 違う! 依頼主の顔を見てみたいだけ!」
ありゃぁ・・・ 言ってしまったわぁ。
「うわw、顔目当て?」
「違う・・・ 実はずっと前に一度だけ文書のやり取りをして・・・ とても優しい方でした。」
「あぁ、メル友に会ってみたいみたいな?」
「なんだそれ。 とにかく西脇様は心の美しい方でした、字もとても読みやすいし。」
「へぇ・・・ 協力したいけどなぁ・・・」
「かしゆかは妖なのだから、無理しなくていいんですよ。気持ちだけ受け取らせてもらいます。」
「ありがと。あ、樫野様の部屋に案内だよね? こっちこっち。」
「そうでした。あ、これをお礼に。」
そういって、大本さんは3つほどの水晶玉がついたブレスレットを差し出した。
「霊が、肉体を一時的に取り戻せるという腕輪です。水晶を一つ外すごとに3分の効果です。」
「へぇ・・・ ありがと。」
「では、また機会があればお会いしましょう。」
「うん、じゃあね。」
大本さんは軽く一礼すると、樫野様の部屋に向かって声をかけた。
いや〜、話し方までのっちによう似とるわぁ。
感じのいい人だったな。なんだか妙に親近感がわいてしまう。
後ろを振り返ったら、もう大本さんは部屋に入った後だった。
今ごろ有香と大本さんはどんな話をしてるんだろうか。
やっぱりあたしたちみたいにゆるくてぐだぐだなのかな。
あ、でも大本さんの祈祷ってビジネスなのかな。だったらそんなゆるぐだじゃいかんよね。
ビジネスかぁ。依頼してるなら綾香様も大本さんに会ってあげればいいのに。
なんとなくこっちの世界の人たちに興味がわいて来た。
この時は、まさかこの人たちとあたしたちの世界が繋がってるなんて思ってなかったんだ。
つづく
最終更新:2009年10月22日 18:56