始まりは分かるけど、終わりは分からなかった。
言ってしまえば、永遠に続ける事だってできる訳だし。
「ねえっ! どっちが良いかな?」
あ〜ちゃんはワンピースを二つブラ下げてあたしに見せる。交互に体にあてて、なにかを期待する目。これ以上ない笑顔。
「……一緒じゃん」
白地にピンクの水玉模様のワンピースと……
白地にピンクの水玉模様のワンピース。
「はぁ!? 全然違うじゃん! 柄の密度も大きさも色も襟も袖も!」
信じられない様な顔であたしを見る。分かんないよ、あたしには全然。
全く同じものに見える。
日替わりで着られても同じもの着てるとしか思わないよ、多分。
「もういいわ。のっちには聞かん」
御冠。参ったな。
ブツブツと文句を言いながら鏡の前に行く。女心が分かってないだの、オシャレに興味ない人とは話が合わないだの。
文句は言わないよ。ごもっともだから。
「……店の前で待ってるね」
触らぬ神に祟りなし。返事はなかった。
あたしはさっきふと浮かんだ思考に戻る。
気持ちが良いからさ。
柔らかくて、あったかくて、溶け合っちゃうみたいで。
始まりは分かりやすいんだよ。
顔に出るし。体温は上がるし。空気は湿るし。
雰囲気なんて女も男も変わらない。
ヤりたいですって顔するからさ。
でも、終わりが分からない。
男なら出せばそれでお仕舞いなんだろうけど。
幾らでも気持ち良くなれるからなぁ……
そりゃ同じ体だもん、イきゃ分かるし、疲れたら分かる。
でもさ、そうじゃなかったら? 一度で満足なんかしないし。
あ〜ちゃんも好きだからな。もちろんあたしも大好きだけど。
店内で、二つのワンピースをどちらも持ってレジに向かうあ〜ちゃんの姿が見えた。
あ〜あ、当て付けだよ……参ったなホントに。
さて、どんな嫌味を言われるかな。
「どっちも買ったんだ……」
店を出てきたあ〜ちゃんに、先攻を獲る。
「関係ない、あ〜ちゃんの勝手でしょ。のっちには分からんのよ」
完全に御冠。
昨日の夜を思い出す。
ソファでシたくなってシて、そのまま一緒にお風呂入ってシて、ベットに入って何度もシて。
際限ないんだよな。
疲れて寝ちゃうまでヤっちゃうし。
「どうせのっちはあ〜ちゃんの服装なんて気にしてないんよね!」
今夜だってそうしたい。
「のっちはいつも似た様な格好だし」
柔らかい肌に触れたい。
「なにが楽な格好が良いじゃ。カッコつけてるつもりなん!?」
彼女の香りを嗅ぎたい。
甘い声を聞きたい。
めちゃくちゃにしてやりたい。
「褒めてくれたことないもんね!」
「いつも可愛いって言ってるじゃん」
「服を褒めて欲しい時もあるんよ! やっぱりのっちは分かっとらん!」
さて、どうご機嫌を直してもらうか……
〜end〜
最終更新:2009年10月22日 19:30