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《現在》


サイドA


『・・・会いたい、よ』
あの頃からちっとも変わってない弱々しいのっちの声が、心地よく響いた。
『うん。あ〜ちゃんも』
のっちに会いたいよ。ずっとずっと、そう思ってた。
やっと、迷路の出口が見えてきた気がする。あともうちょっとだ。




『じゃあ、また。』
『うん。またね。』
言い合って電話を切った。
そうしたら急に手が震えて、涙がドバッと溢れ出した。緊張の糸がプツンって切れた。
でもこれは、あの頃悲しくて寂しくて流した涙とは違うから。私は無理にそれを止めなかった。
全部流して、そしたらちょっと、綺麗になるかな?


ねぇ、のっち?あ〜ちゃんね。会って話したいこと、いっぱいあるんよ。
もちろん“ごめんね”も言いたいけど。“ありがと”をね?いっぱいいっぱい伝えたいんよ。
だってね?あ〜ちゃん、のっちに出会ってなかったら、こんなにも誰かを好きになって夢中になって、愛せること。知らなかった。
それに、こんなにも誰かを愛して、別れて、辛くなることも、知らないまま、次に進むとこだったよ。
のっちのお陰で弱くなったりもしたけれど、やっぱり強くなったところの方が多いよ。
それにね?のっちのことを、このままほったらかしにして、あ〜ちゃんは幸せになれんのよ。


“幸せになってね”
あの時二人に言われた言葉。
あ〜ちゃん、幸せになるから。のっち、ちょっと手助けしてね?
あ〜ちゃん、もうすぐ、、幸せに、なるから。






最終更新:2009年10月22日 19:46