Side A
今日はゆかちゃん、友達とお出掛けらしくて、あたしはのっちとお留守番。
ゆかちゃん、普段のっちと何してんだろ?
お座りをして、ブンブン尻尾を振って、あたしを見ているのっちを見ながらそんな事を思った。
…ふむ、とりあえず、その辺に散歩でも行ってこようか。
立ち上がって、リードを手に取ると、喜んで足元に寄ってくる。
(あ〜ちゃん、お散歩行くの?ねぇねぇ行くん?)
「はいはい、ちょっと待ちんさい。」
え〜と…、コレは、こう?
着け方がいまいち分からないから、ちょっと手こずる。
(ちょ、ちょっとwあ〜ちゃん、そこ違wそれコッチの足ぃw)
ジタバタするのっち。
「ん?ああwこっちか。」
なんとか装着して、いざお散歩へ!
(あぅ、あ〜ちゃん結構強引だなぁ。ゆかちゃんもっと優しいのに…。ぃや、そんなあ〜ちゃんも大好きなのらw)
とりあえず近くの公園までやってきた。
そして、なんとなく持ってきたフリスビー。
リードを外すと、フリスビーが気になってしょうがないらしいのっち。
ぴょんぴょん跳ねて取ろうとしてる。
しばらく手に持ったまま、必死なのっちを見て楽しむ。
(あ〜ちゃんっ、ソレ、ちょうらぃっ!はうw)
ふふふw面白w
ほれほれ、こっちじゃよーw
(むぉwwコレはゆかちゃんも、あ〜ちゃんも意地悪なのだぁw)
そろそろ良いかな?
フリスビーを前後に振って…
(ぉ、あ〜ちゃん行く?投げちゃう?)
「のっち!ゴー!」
思いっきり飛ばす。
と同時に勢い良く走り出すのっち。
(ぬぉおおおぉおw待てコラァー!!)
フリスビーに無事追いついてぇ…ジャンピィーン…キャッチ!
ぉおお!!のっちやるぅw
見事にキャッチしたフリスビーを咥えて、勢い良く戻ってくるのっち。
(あ〜ちゃん!のっち取ったよ!すごいでしょ?ね、褒めて?ね?ね?褒めて!)
めっちゃ得意げw
「まだ褒めてやらんw」
(あれ?褒めてくれんの?コレゆかちゃんめっちゃ褒めてくれるろ?)
「一回じゃぁ〜のぉwのっち、もっかい行っとこw」
(え?もっかぃ?もっかい行くん?)
「よーし。今度はもっと遠くね?」
(おう!ドンとコイ!)
「いくよー?ヘイ!」
さっきと同じように走り出すのっち。
お、お、行くか?行くか?
フリスビーの高度が落ち始めて、のっちジャンプ!
(よっしゃ!って、え、うぉw)
と思ったら、ジャンプの前に、いきなりコケよったww
そこでコケるか?普通w
フリスビーを咥えて、明らかにションボリ戻ってくるのっち。
「残念じゃったねぇw」
しゃがんでフリスビーを受け取る。
くぅ…
ふふwハの字じゃハの字w
「しゃーないのぅ、じゃ、もっかいね?」
(え!良いの?もっかい投げてくれるの?)
また、尻尾を振りだすのっち。分かりやすw
「ほいじゃ、いくよ?」
(おぅ!ちゃんとキャッチしてくるろ!)
「ほぃ!…あ。」
のっちが追いかけた先は、茂みの中…。
(逃がしてなるものかぁ!てりゃ!)
のっちが飛び込んだ瞬間に「イダっ」って声がした。
うわぁ、誰かおる。
恐る恐る近づいて声を掛ける
「すみませぇん…。」
「あービックリしたw」
ひょいっと姿を現した人影。
「この子、キミの?」
その人に抱き上げられて、しっかりフリスビーを咥えて、しっぽを振ってるのっち。
(あ〜ちゃん!ちゃんと取ったお!)
「あ、はい。体当たりしちゃったみたいで…すみませんw」
「ああw大丈夫大丈夫wはい。」
あ、今の、のっちと一緒だ。ハの字…。
その人からのっちを受け取って、お礼を言う。
(あれ?褒めてくれんの…?)
「あの、こんなとこで何を?」
ちょっと汚れてる服
「ん?あーちょっとかっしーを探してて…。」
「かっしー?」
「うんwあ、家のネコなんだけどw」
確か、ゆかちゃんもかっしーって呼ばれてたよね?
ま、たまたまだよね?
(あ〜ちゃ…)
「良かったら、一緒に探しますよ?」
「ホント?助かるよーw」
「いえいえwこういう時はお互い様ですから。」
(あ〜ちゃぁん…くすん)
「どんな子ですか?」
「えっとね〜、黒毛がめっちゃキレイな黒ネコ。」
「黒ネコね。」
ゆかちゃんも髪の毛キレイだよね。
「んで、ネコなのにアイスが好きでね?」
ありゃ偶然、ゆかちゃんもアイス好きよ?
「あ、そういえば、その子はなんていうの?」
のっちを指差して聞いてくる。
「あぁ、この子は、のっちです。」
「のっちぃ?」
なんだかビックリしてる。かっしーも珍しいと思うけど?
「珍しいですよね?一緒に住んでる子が名付けたんですけどw」
「一緒に?」
「はい。」
「んん?…ああ!もしかしてぇ…。」
あたしをまじまじ見ると、何か納得したみたいで手をぽんと、言いかけたけど
「あ!!かっしーおった!!」
ビシッとあたしの後ろに向かって指を差して言う。
ふっと後ろを振り返ると、ホントキレイな黒ネコがこっちを見ていたけど。
ふいっと向きを変えて歩き出した。
「ちょっと、かっしー待って!」
ごめんね?って、あたしの横をすり抜けて、ネコを追い掛ける彼女。
それを確認したみたいに、タンと走り出したネコ。
「あ゛w何で逃げるん!」
必死に追い掛ける姿に、ちょっと笑ってしまった。
……。
ちゃんと捕まえられるかな?
それにしても、さっき言い掛けたのが気になるんですけどw
そういえばのっち…。
て、寝てるし!
まったくw相変わらずマイペースじゃねw
仕方ないから、そのまま抱っこして家に帰ることにした。
ゆかちゃんが帰ってきてから、公園で会った彼女の話をした。
そしたら、あ〜って顔して
「のっちに似とったでしょ?」
「あーハの字眉?」
「wそうそう。」
「まさか、のっちの名前って…。」
「イヒヒwその人から貰っちゃったw」
そっかだから、彼女ビックリしてたのか。納得。
…ん?ちょっと待てよ?じゃあ、ネコのかっしーって?
「かっしー…。」
「ぅん?」
「ネコにゆかちゃんの名前付けてた…。」
「黒ネコでしょ?そう言えば、私に似てるって言ってたっけw」
「うん。それより…。」
お互いに、名前付けてるくらいだし…。
「ゆかちゃん、その人とどんな関係なん…。」
そんなに良く知ってて…。第一、あたしが知らない相手なのがヤダ。
Side K
あ〜ちゃん、のっちにヤキモチ妬いてるみたいw
「あ〜ちゃん大丈夫だよwただの親戚の子だから。」
「ほんまに?」
「ほんまよぉw」
そう言っても、まだむっとしてるあ〜ちゃん。
「まだ、妬いてるん?」
「だってぇ、あたしの知らんとこで、名前呼ばれとるんじゃろ?」
「そうじゃねw」
「なんかヤ…。」
「だったら、あ〜ちゃんいっぱい呼んでよ?私あ〜ちゃんに呼ばれるの一番好きだもんw」
そう言うと、ちょっと照れ気味のあ〜ちゃん。
「ゆかちゃん…。」
「あ〜ちゃん♪」
「ゆかちゃん…。」
「あ〜ちゃん♪」
「…ゆか。」
うにゃw
相変わらす不意打ち…。
「今のっち寝とるけぇ。」
そっと囁いてくる。
「ぅん。」
「いっぱい呼んであげるね?」
「ん。」
キスの合間に呼ばれる名前
「ゆか…。」
こんなに自分の名前を愛しく思うのはきっと
あ〜ちゃんが、愛しく呼んでくれるからなんだね
—つづく—
最終更新:2009年10月22日 19:51