「ふわぁ〜」
「ねむいん?」
「うん」
大きな口を開けて豪快に欠伸をすると、隣にいたあ〜ちゃんが優しく微笑んでいた。
「さすがに今回は他のアーティストさんもおったけぇ疲れた?」
「だいじょうぶでふぅ…」
そう答えてから机に突っ伏した。
「ふふ…言ってることとやってることが矛盾しとるよ」
「そ〜で〜すかぁ〜?」
「もう…、眠いならちゃんと家に帰ってから寝ないと風邪引くよ?」
「あ〜ちゃんと離れるのは嫌だ!!」
さっきまで突っ伏していた顔をガバッと音を立てるように勢いよく上げて言った。
「はぁ…そう言ってくれるんは嬉しいんじゃけど、眠いんじゃろ?もう、仕事も一段落着いたんだし」
やっぱりあ〜ちゃんはわかっていない。
「疲れたときこそ癒しが欲しい…」
「それならなおのこと家に帰って落ち着くのが良いじゃろう?」
「私の癒しはあ〜ちゃんといることによって効果があるのれす!!」
「はぁ?意味解らん」
「わからなくてもいいもん。とりあえずあ〜ちゃんの傍にいれればいいもん」
「なんだかよく解らんけど…好きにすれば?」
「いぇ〜い!好きにしま〜す」
「誕生日なのに会いたい人とかおらんのじゃろか?」
ブツブツ呟くあ〜ちゃんを横目に小さくため息をつく。
あ〜ちゃんは意外と鈍感だ。
だけどもそこが好きだったりする。
ちょっと抜けてるくらいが丁度いい?みたいな。
あ〜ちゃんが気付いてくれるように、少しずつ少しずつアプローチしているんだけどなぁ。
未だ成果はでておらず…。
あ〜ちゃんが私を見つめてくれるまで後どれくらいアピールすればいいのやら。

欲しいのは、あ〜ちゃんの気持ち。
今年も一番欲しいプレゼントは貰えそうにない。


トホホ…。



㊖おまけ㊖


「あ〜ちゃん…それ、なに…?」
楽屋に戻ってきたら、面白い光景が広がっていた。
「ん?のっち」
「いや、それは見ればわかるんじゃけど…なんであ〜ちゃんに膝枕されとるんよ」
「あぁ…のっち疲れてたのか寝ちゃったんだけど、体勢が悪かったみたいで苦しそうだったから…」
「あ〜ちゃん…デレタネ…」
「そ、そんなことないけぇ!!べっ…べつに、のっちが寝てるからしてるわけじゃないもん!」
「はいはい。そういうことにしといてあげるw」
「!!ゆかちゃんのイジワル…」

お互い好きなくせに素直じゃないんだから…。
でも面白いから助けてあげない♪

クフフ…。


〜end〜






最終更新:2009年10月22日 19:53