「…で、3年生は毎年劇をします!どんな劇がしたいか皆どんどん意見出してー」
「はいはい!ロミオとジュリエット!」
「はい!シンデレラ!」
「美女と野獣は?」
「カーズがいい」
何やらざわざわ騒がしい学級会の時間。秋真っ盛りなこの季節恒例の文化祭の出し物を決めております。
のっちたちの中学の文化祭はほとんどが舞台発表で、1年生はリコーダー、2年は歌、3年は劇と決まってる。
「何か他に意見ありませんかー?」
ホームルーム委員の2人がしきってくれてるおかげですらすら色んな意見が出た。
……裸の大将って誰が出したんだろ。もしこれに決まったら主役は一体誰に……
「はい、皆。先生からも一ついいかな?」
ボケーっと考えてたら先生が急に割って入ってきた。なんだ珍しいな。いつもはでしゃばってこないのに。
「先生な、実はもう考えてきちゃってるんです!」
「「は!?」」
「どん!はいこれ!」
教卓の上にずどんっと置かれた紙の山。
…まさか
「台本も、ほら完璧!!」
やっぱりー!ちょ、先生ったら!やる気満々なんじゃん!
こんな輝いてる先生の目、初めて見た!
「これどうだ?やってみないか?」
自信満々の先生には誰も逆らえず…クラスの皆はうなずいた。
「…で、まさかの戦隊ものと言うね」
「予想外だわ」
「ゆかちゃん何する?」
「んーゆかは…照明とかでいい」
「だよね。のっちも裏方がいいなー」
「えー、のっちたち裏方にするん?」
「うーん…あ〜ちゃんはなんか役やりたいの?」
「せっかくだからなんかしたいとは思ってる。中学最後だし…」
最後、かぁ。もう今年卒業なんだよなぁ。早いなぁ。ついこないだ初めての制服にドキマギしたかと思えば、もう卒業…やばい、このままじゃのっちきっとすぐ死んじゃう。
「ねぇのっち、なんか役やろうよぉ…」
…やばい、きた。このパターンきましたよ。
ちょっとあ〜ちゃん、そんな擦り寄ってこないで、
「いや、でものっちはちょっと…」
「しよ?ね?一緒にしようよぉ…」
「……でも緊張しちゃうし、」
「だって最後よ?いい思い出になると思うんよ」
「………でも、」
「一緒に。やだ?」
かっ悲しそうな顔しないで!そんな顔…ああ、反則じゃね?あ〜ちゃん。
そんで近いよ。近いんだよあ〜ちゃん!やばい、ちょっとハァハァしちゃう…
「…………〜でもぉ〜」
「のっちやりんさいよ」
「いや、でもゆかちゃん、」
「のっちが出たら面白いよ。ゆか的に」
「それゆかちゃんがニヤニヤ楽しみたいだけじゃん!」
「え?そうだよ?」
「なんて人…!」
「のっち!ゆかちゃんもこう言っとることだし!」
「でも、」
「でも…じゃない!出るの!ね?」
「ね?ってゆかちゃん、人事だとおもっ、」
「のっち」
「………分かったよ。」
「きゃーのっちさすが!ありがとー」
あーもうなんでいつもこうなんの!!
でもま、あ〜ちゃん嬉しそうだし…いっか。
つづく
最終更新:2009年10月22日 20:52