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「敵って何?」
「のっちぃ〜、茨の城に閉じ込められてる姫を王子から救ってよ」
「はい?いやいや、何言ってるのかわからないんだけど?」
王子って、金髪ヤローの事を指してるの?
じゃあ姫ってあ〜ちゃんの事?
茨の城って何?
頭の中に『?』がいっぱいだよ。

「ごめん、かしゆか。最初からちゃんと説明してくれない?出来れば静かな所でさ」
かしゆかはまたふふって笑って「そうだよね」って言ってその場を後にした。
フロアではまだ金髪ヤローがそこを支配していた。ムカつく。

「おじゃましま〜す」
お邪魔した場所はかしゆかの部屋。かしゆかも一人暮らし。
二回くらい来た事があるんだよね。もちろんあ〜ちゃんも一緒だったよ。
ほんとはペット禁止なのに大家さんに内緒でひっそりモモンガを飼ってる。
てか、モモンガってチョイスがウケるw普通は犬とか猫でしょ?モモンガってw

「ふぅ〜。なんかかしゆかんちって落ち着くわ」
「いやいや、落ちつかんでよw」
「えー、いいじゃ〜ん」
のっちは傍にあったクッションを抱いて寝転がる。

「もー、のっちちゃんと座ってよ。ゆかの説明聞くんでしょ?」
「はーい」
「んー・・・どっから話そうかな」
「もしかして、話長いとか?」
「かもしれん・・・」
そう言ってかしゆかは真面目モードであ〜ちゃんと金髪ヤローの関係を話してくれた。
もちろんかしゆかの話がすべてじゃなくて、あくまでもあ〜ちゃんから聞いた情報。



㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖㊖

「・・・その話って、マジなの?」
「あ〜ちゃんは嘘つくような子じゃないけぇ」
「こういう事ってドラマとか映画だけの中の話だと思ったよ」
「ゆかも初めはそう思ったよ。でも実際はもっと辛い状況かもしれん・・・」
「えっ!これ以上酷いの?」
「だってあ〜ちゃんはゆかに、ほとんど何も言ってくれんもん・・・『大丈夫じゃけぇ』ってしか言って、くれん、もん」
あー、かしゆか泣いちゃった。わー、泣かんで〜。のっち、女の子に泣かれると、どうしていいかわからんよ。
と、とりあえず自分の着てるパーカーの袖で、その涙を拭ってあげようか。
そう思って、右手を差し出そうとしたら、かしゆかはテーブルに置いてあるティッシュボックスに手を伸ばした。
あら、、、のっちの袖は用なしですね・・・。
しかも豪快に鼻かんでるしw

「だから、のっち。あ〜ちゃんをよろしくね」
鼻声ですんごい事言っちゃうんだね、かしゆかは。
「よ、よろしくって、どうすりゃあいいの?」

「のっちの愛のパワーで助けてよ」
はい?何を言ってるんだこの娘は!!
「ちょ、、、かしゆか。真面目に考えてよ・・・」
「ゆかは真面目だよ!!」
えっ?逆ギレ?こわっ。

「ほんとはゆかがあ〜ちゃんを助けたいんよ。でもそれが出来ないんよ」
あっ、またかしゆかの目に涙が。
「ゆかはあ〜ちゃんが崩れ落ちないように、支えてあげるだけしか出来ないんよ」
あっ、目から涙が溢れ出た。
「あ〜ちゃんを・・・茨の城から救い出せるのは、あんたしかおらんのよ・・・きっと」
マジですか。そうですか。
あ〜ちゃんを救うのはのっちしかいないんですか。
あ〜ちゃんの幼馴染のかしゆかが、言ってるんだからそうなんだろうな。
でも最後の『きっと』ってのがちょっぴし引っかかるけど。



「あ〜ちゃんの事、好き?」
かしゆか、その質問はもう飽きたよ。あんた、それ三回目だよ。

「好き。大好き」
今度はちゃんと胸張って言えたよ。

「ゆかちゃんの事も好きだよ」
「は?あんた、なに言ってるん?」
「のっちはあ〜ちゃんもゆかちゃんも好き。だから二人が泣いてたり辛い目にあったりしてるのが嫌だ」

「救い出すよ。あ〜ちゃんを茨の城から!金髪王子の手から!」
「のっち・・・」
「村人Aだって、ヒーローになれるんだって証明してやる!!」
「・・・村人Aって、なに?」

のっちやってみるよ。
大好きなあ〜ちゃんを必ず救ってみせるよ。
そうしたら、あ〜ちゃんも傷つかずにすむし、かしゆかも泣かずにすむよね。
そうしたら、三人で心から笑い合えるよね。
あわよくば、あ〜ちゃんと付き合えたりしちゃって・・・。げへへ、はっ!!いかんいかん、下心が出てしまった。
こうなったら頑張ってしょぼい村人Aから、かっこいい勇敢な騎士に愛のパワーで変わってやる!!

みてろー!金髪王子め!
村人Aなめんなよ!!

「ねー、村人Aって、なーに?」
「・・・」






最終更新:2009年10月22日 21:09