サイドN
壊れてたんだ。のっち、やっぱり馬鹿だから。
あまりにも大事すぎて、大切すぎて、大好きすぎて、って色んなものを頭の中のあ〜ちゃんに乗せすぎたら、重くなりすぎちゃって、見事に秤がぶっ壊れた。
だから、その後のあ〜ちゃんの苦悩だとか、寂しさだとか、切なさだとか、まったく気付かなくて、まったく支えらんなくて、まったくの役立たずだった。
だって壊れてたんだもん。あ〜ちゃん秤。
あの頃、頭の中はあ〜ちゃんばかりだったのに、あ〜ちゃんばかりだったおかげで、あ〜ちゃん秤はぶっ壊れた。
あ〜ちゃんの笑顔も、泣き顔も、甘い声も、柔らかい肌も、気持ちも、感情も、心情も、全てが愛しかったのに、全て、計り知れなかった。
『はかり?』
『うん。あ〜ちゃんばかり』
とってもとっても大事にしてた、あ〜ちゃんがくれた、あ〜ちゃん秤。
でも、ごめんなさい。のっち壊しちゃったの。
『色んなこと、無駄に考えすぎて、その秤にバンバン乗せてたら、重くなりすぎて壊れた』
そっか、ってちょっとだけ笑って、でもありがと、って優しい目をした。
『あ〜ちゃんのこと、そんな風に思ってくれて、ありがとね?』
そんなの。いいのに。
だって結局壊しちゃったし。
『だったら、あ〜ちゃんの中にもある』
『うん?』
『のっちの秤。のっちばかり、か?』
そう言って、でも、じゃああ〜ちゃんのも壊れてるな、って笑った。
ねぇ、あ〜ちゃん。
その秤って直るよね?
またこれから直せるでしょ?
今はもう、のっちの“君秤”は、ゆかちゃんになっちゃったけど。
きっと、あ〜ちゃん秤も直るよね?
計り知れなかった感情も、今ならわかり合えるよね?
『今度はうまくいくかな?』
そう言ってあ〜ちゃんは笑った。
次に進む時のスタートラインは一緒がいい、って。
それが今、かなったよ。
『うん。もう壊さない』
だから、これからまた一緒に笑い合えたらいいね。
秤に乗せたあ〜ちゃんを、沢山の重圧で押し潰さないように、壊さないように。壊れないように。
きっと、うまくいく。
あの頃と感情が変わっても、似た温度で想い合える。
今にまた、頭の中は、あの頃の笑顔に負けないあ〜ちゃんで、、
キミバカリで、染まるんだ。
END
最終更新:2009年10月22日 21:42