N『今度さ、食事行く事になっちゃった。』
耳を疑った。
全身が硬直して、変な汗が出てくる。
K『あ、……そう。良かったね。』
うん、良かったね…。
N『……うん。』
一瞬のためらいと、浮かない顔を見た気がした。
都合良く考えすぎてる自分を戒め、襟を正す。
K『このまま上手くいけばいいねぇ。』
言ってて吐き気をもよおす。
想像なんて出来ないくらい非現実的な事なのに、簡単に泣けるくらいリアリティが溢れてる。
だいたい、あたし達が不自然すぎただけ……。
N『いいの?』
何、それ。
人の決心を揺るがさないでよ。
K『いいに決まってる。』
引きつった笑顔で答えると、のっちの瞳が悲しげに揺れた。
気がしただけかも知れない……。
都合良く考えすぎるのは、まだ好きだから?
好きに決まってる。
だから、やめてよ。
あたしをどうしたいの?
あたしはどうしたいの?
どうやって、キスしてたっけ?
どうやって、寄り添ってたっけ?
手をのばせばすぐ触れられる距離は、
心を硬直させて行く。
鮮明に焼き付いていたその記憶も、時の流れが風化させていく。
だからきっと、何度も何度もキスして抱き合って確かめるんだね。
きみをどんなに想い続けても、あたしにできることなんかなくて。
夕焼けみたいに沈む気持ちを胸にしまいこむ。
いっそ、遠くにいたなら素直にあなたを想えたのかな。
(続く)
最終更新:2009年10月22日 21:47