「あ、雨やんでるし」
塾から出ると、来る時はザーザー降りだった雨が止んでた。のらりのらりバス停まで歩く。
雨やむのかよーなんだよー。それだったら頑張ってチャリで来たのに!
バス代も積み重なるとバカにならんのよ。お小遣なくなっちゃう。
ぶつくさ文句垂れ流しながら歩いてるとカバンがブーブー震えた。
メールかな?
…あ〜ちゃんだ!
『明日の体育テニスだと思う?』
なんだそりゃ!めっちゃどうでもいい!
どうでもいいけど…やばいのっち、顔ニヤけてる。
こんなどうでもいい事でのっちにメールくれるとか…なんだろ、うっ嬉しい!
『雨やんだねー。テニスかバスケか選べるやつだと思う!』
さっきまでの憂鬱な気持ちとかそんなもん知るか!
あ〜ちゃんからメール来たってだけで、のっちの心は雲りのち晴天だよあ〜ちゃん。
『やっぱそれかな?雨やんだね!おかげで自転車こぎやすい♪』
あれ?あ〜ちゃんも塾だったのかな?
『あ〜ちゃんも塾だったの?のっちもなんだけどチャリで来なかったから今からバス乗るー。なんなら迎えに来てよ♪』
バス停人多いなー。あ、バス来た。
『本当に行っちゃうよ?今どこ?』
…え。うそ。いやいやいや!
いくらなんでもそれはのっち迷惑な奴でしょ!
『え、マジで?駅の下のバス停だけど今バス来たからやっぱ大丈夫だわ!ごめん変なこと言って』
『やだ乗らないで!今から行くから!』
『いいよいいよっ。大変でしょ?バス乗って帰るよ。ありがとう!』
そう返してからバスに乗り込んだ。まさか来るって言ってくれるだなんて!
ちょっとおしい気もするけど、さすがにこんな夜に…ねぇ?ダメだよねっ。危ないよねっ。
窓の外を眺めてると、また携帯が震えた。
あ〜ちゃんかな?
『もうバス乗っちゃった?』
『うん乗ったよ!』
『そっかぁ…せっかく会えると思ったんだけどな。』
………えー!!!
何これ?本当にあ〜ちゃん?
え、会いたかったの?ねぇ会いたかったの?あ〜ちゃん!
『会いたい?』
『会いたい。』
嘘でしょー!!
え、これあ〜ちゃんなの?
この携帯の向こう側にいるの本物のあ〜ちゃんなの!?ねえねえねえ!!
『やばいのっちも会いたい!バス乗るんじゃなかったー!』
『じゃあ今からのっちん家向かう!』
『え!そんな!危ないよ!』
『大丈夫だから。じゃあまた後でね!』
マジですか……?
あ〜ちゃんが、来る!
つづく
最終更新:2009年10月22日 22:20