最後のキスは暖かくて苦しくて息が出来なくなった。
変わりに涙が溢れて止まらなかった。
そんなに悲しいなら止めればいいじゃん。
なんて口に出せば簡単だけど、それじゃダメなんだよね。
ダメなんだよ……。
その惜しむような口づけは、いつまでも終わりが来ないようにも感じた。
K『今度ね、生まれ変わる時はね。』
ふいに唇の触れ合う距離で彼女は言った。
N『……うん。』
キスをやめずに答える。
K『……のっちのいない世界に生まれたいな。』
至近距離で見る彼女の瞳から涙がまた一筋こぼれ落ちた。
私の瞳からも同じように涙がこぼれ、頬を伝う。
K『じゃないとさ、……。』
N『うん。』
君の顔がはげしく歪む。
きっと私の顔もはげしく歪んでる。
K『絶対、のっちの事見つけちゃうから。』
両手で顔を多い言葉を詰まらせる。
K『また好きになっちゃうからっ。』
押し殺した鳴咽は号泣へと変わる。
私も声を出して泣いた。
N『ゆかちゃん、大好きっ。』
言うだけはいいでしょ?
それくらいは許してよ。
N『大好きっ、大好き。………大好き。』
泣き崩れる彼女に好き勝手に投げ付ける最後の想い。
N『大好きだよ、好き。ゆかちゃんが好き……っ。』
K『………っ。』
ふいにゆかちゃんがこちらをむいた。
真っ赤な顔して涙でグシャグシャになった瞳。
つくろうように口元を手の甲で隠してる。
でもゆかちゃんがギュッと瞳を閉じるたび、大粒の涙がポロポロこぼれ落ちる。
N『へへ、ゆかちゃん可愛い……。』
笑いながら泣いてる私の声は鼻声で、
K『……、変な声っ。』
きみは吹き出した。
N『ゆかちゃんもじゃん。』
二人で笑った。
それでもまた襲い来る悲しみ。
二人して泣いて、顔を見合わせるたび悲しくてまた泣いて。
(続く)
最終更新:2009年10月22日 23:01