アットウィキロゴ
  • Side N-


最後のキスは暖かくて苦しくて息が出来なくなった。

変わりに涙が溢れて止まらなかった。


そんなに悲しいなら止めればいいじゃん。

なんて口に出せば簡単だけど、それじゃダメなんだよね。

ダメなんだよ……。


その惜しむような口づけは、いつまでも終わりが来ないようにも感じた。


K『今度ね、生まれ変わる時はね。』

ふいに唇の触れ合う距離で彼女は言った。

N『……うん。』
キスをやめずに答える。


K『……のっちのいない世界に生まれたいな。』

至近距離で見る彼女の瞳から涙がまた一筋こぼれ落ちた。

私の瞳からも同じように涙がこぼれ、頬を伝う。

K『じゃないとさ、……。』

N『うん。』


君の顔がはげしく歪む。

きっと私の顔もはげしく歪んでる。


K『絶対、のっちの事見つけちゃうから。』

両手で顔を多い言葉を詰まらせる。

K『また好きになっちゃうからっ。』

押し殺した鳴咽は号泣へと変わる。
私も声を出して泣いた。



N『ゆかちゃん、大好きっ。』

言うだけはいいでしょ?
それくらいは許してよ。

N『大好きっ、大好き。………大好き。』

泣き崩れる彼女に好き勝手に投げ付ける最後の想い。

N『大好きだよ、好き。ゆかちゃんが好き……っ。』

K『………っ。』

ふいにゆかちゃんがこちらをむいた。

真っ赤な顔して涙でグシャグシャになった瞳。
つくろうように口元を手の甲で隠してる。

でもゆかちゃんがギュッと瞳を閉じるたび、大粒の涙がポロポロこぼれ落ちる。

N『へへ、ゆかちゃん可愛い……。』

笑いながら泣いてる私の声は鼻声で、
K『……、変な声っ。』
きみは吹き出した。

N『ゆかちゃんもじゃん。』


二人で笑った。

それでもまた襲い来る悲しみ。

二人して泣いて、顔を見合わせるたび悲しくてまた泣いて。


(続く)





最終更新:2009年10月22日 23:01