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最初から決めていたんだ。
面倒臭いのはごめんだ。

「来てくれないかと思った・・・」

遊ぶ女と付き合う女はまったくの別物。
だけど、わからないことが一つだけある。

「いや、暇だったし、ね。」

この女は、一体どっちだ?


愛しい、と思う気持ちがなくなった後の、
あのとてつもなく鬱陶しい感覚を繰り返すくらいなら、
最初から、そんな感情を持たない相手の方がいい。
そう思って目についたこの女は、
今日も黒い長い髪が綺麗で、
綺麗なものに目がない私からすれば、
そうとうな価値があるよ、その髪は。
いや、あなたにも。

「のっち・・・」

吐く息が短くなって、
合間合間に繰り返し呼ばれる名前。
どうしてこうも皆、
こんな時ばかり名前を呼びたがるんだろう?
そしてそれは、

「ゆか」

呼んで、の合図なんだろうな。
だけど、その先は言わないで。
聞きたくない。


「のっち・・・す、、


言わせないよ。
キスで塞いだ唇から、
溜め息にも似た吐息が漏れた。




感情を持ってしまったら、
簡単には聞きたくないんだ。
口に出したら軽くなる。
奥の奥の方に溜め込んで、
重くて苦しくなるくらいがいいよ。
聞くのはその時でいい。


「なんで言わせてくれないの・・・?」
「さぁ、ね?」
「じゃぁ、ゆかに言って」
「ばーか」


無邪気に笑って長い髪を揺らす。
綺麗だ。
すっごく、綺麗。
奥の奥に入ったら、
気付かないようにしてた重くて苦しい感情が、
あの鬱陶しい感情が、
彼女から漏れる水分と一緒に溢れた。


「愛して、る」


鬱陶しいな、この感情は。
なのに、何て幸せなんだろう。


「どしたんっ?!」


一瞬とまった動きで、
違和感に気付く。
こんなのって、

「のっちじゃないみたい」

自分、じゃ、ない。


「さぁね、、」


だけど、口に出してしまったら、
案外すんなり納得。
そうか、そうか。
この女は後者だったんだ。


「・・・ただの言葉だよ」


私はまた、動きだした。




END







最終更新:2009年11月01日 03:06