教室にあ〜ちゃんの姿がない。
なんかすっげぇ寂しいんですけど……
きっと何処かで見てはいるんだろうけど、視界に入る場所にはいない。
どうしよう。
のっちは嫌だよ。
あ〜ちゃんとバイバイするの……
終業のベルが鳴って、沢山の人が一斉に席を立つ。
そんなに急いでどこに行くのか。
のっちはというとあ〜ちゃんを待ってるんだけど……
……来ない。
いつもならずっと耳元にあるはずの声が聞こえない。
いつもならずっと傍にいるはずの笑顔が見当たらない。
いよいよ教室に一人になると、寂しいのを通り越して恐くなった。
そっか。あ〜ちゃんが消えるってのは、この状態か……
ヤバイな。のっち絶対耐えられなさそうじゃね?
あ〜ちゃんの気持ちは知らないけど、のっちはずっと一緒にいたいよ。
なんか、方法はないものか……
講義に使われたホワイトボードをボーッと眺めながら、普段全く使わない只でさえ無い頭をフル回転させる。
ゆかちゃんにアタックし続けてひたすら断られ続ければ……
そのうち双方に呆れられそうか……
寧ろ一回帰ってもらって、今度はずっと一緒にいたい、って願いにするか。
でもまたあ〜ちゃんが来てくれる保証はないもんな……。
のっちがなんか嘘ついて、死んじゃうか……
でも人って死んだらどうなんだろ……
のっちのこと天使にしてくれっかな……
大層馬鹿馬鹿しい事をめちゃくちゃ真剣に考えていたら、いつの間にか窓の外はすっかりオレンジ色。
……ってオイ!
どうしたあ〜ちゃん。
えぇ〜……二時間もこうしてたんだ……
マジでどこ行っちゃったんだろ……
どうすりゃいいのか分かんないよ。
取り敢えず呼んでみよう。
「……あ〜ちゃん?」
誰もいない講義室に声が響く。返事は聞こえない。
「あ〜ちゃ〜ん」
誰かに見られたらどう思われるだろう。
「あ〜……ちゃん」
今までこんなこと一回も無かった。
あ〜ちゃんはいつだってのっちの横にいた。
「あ〜……ちゃ……ん。ヒグッ」
なんか様子変だったんだよな、さっき屋上で。
「ウウッ……あ〜ちゃあん」
なんだか寂しくて。
なんだか悲しくて。
しかもやたら恐怖で。
気がつきゃだらしなく泣いちゃってて。
ヤダな、子供みたい。
ホントにどこ行ったんだよ……
もう、のっちについてんの嫌になっちゃったのかな……
そんならそうだって言って欲しい。
謝るしダメなとこは直すし。
そんでもダメならちゃんとバイバイ言いたいよ。
いきなりいなくなるなんて、それはちょっと反則だよ。
「……捜さなきゃ」
呟いて椅子を蹴って走り出す。
まだいなくなったって決まった訳じゃないし。
なんかセンチな気分になっちゃってたよ。
そんなん苦手。がむしゃらに走り回る方がよっぽど得意。
案外、学食で食パンでも食べてるかもしんない。
〜続く〜
最終更新:2009年11月01日 03:17