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学食、いない。
屋上、いない。
プール、いない。
トイレ、いない。
息を切らしながら全力で校内を走り回る。
まさかとは思ったけど、保健室へ向かう。
まぁ、体調崩すってことはないんだろうけど……
ひとつひとつベッドまで確認。いない。
手を膝について、肩で息して。
ホントにいないや。もう限界。ちょっと休憩。
ベッドをひとつ拝借。
うん、かたい。
保健室のベッドって、なんでこんなにかたいんだろ。
病人労るつもりなら、もっとふかふかのやつにしとけよ……
もうすっかり辺りは真っ暗になった。
あの空をさ、真っ白でキラキラな羽広げて飛び回っててくれれば、すぐに見つけられるのに……
いつもそうだったのに。
モノは知らないし、かなり天然だし、口は悪いし、寝相も悪いけどさ……
でも。いつの間にか。
のっちは……のっちは……


「……帰ろ」
埒が開かない。
大体相手は天使だ、分が悪い。
トボトボ静かな廊下を歩き、昇降口で小汚ないスニーカーを足下に投げる。
グランウンドを空を見上げながら横切る。
変な話だよね。誰か捜してる時に、空を見上げてるなんてさ。
でものっちの元には、確かにあ〜ちゃんが来たから。
常識なんてもう有って無い様なもんだよ。


「口開いとる……アホ丸出しじゃ……」
「え?」
あ……
「あ〜ちゃん!」
校門を抜ける時に、横から声が聞こえた。
驚いたけど、紛れもなくあ〜ちゃん。
「随分遅かったんじゃね。待ちくたびれたわ」
「ちょっとどこ行ってたの!? もぉ〜めっちゃ捜しちゃったよぉ」
「もうあ〜ちゃんは学校には入れん」
「なんで?」
「生徒でもないんに、校内におったらおかしいじゃろ」
「別に気にしなくていいじゃん。どうせ見えないんだし」
「のっち」
「うん?」
「あ〜ちゃんね、ずっとここで立ってのっちのこと待っとったんよ」
「ごめん。でものっちあ〜ちゃんのこと捜してたから……」
「ずっと立ってて、めっちゃ疲れたんよ」
「だからごめんって。でも良かったよ、あ〜ちゃんいてくれて」
「……鈍い子じゃね」
「え?」
「あ〜ちゃんはもうのっちの天使ではいられません」
……え?
なんで、やっぱり……
なんだ。やっぱもうバイバイなんじゃん……
でもさ……
「の、のっちの望みは!? まだ叶えてないよね?」
「叶えんくてもええ様になった」
「なんで!? 約束違うじゃん」
「天使は仕える人からは離れられん。離れられたってことは、そういうことじゃ」
「えぇ……やだぁ……」
なんでそんなに恐い顔してるの?
なんでのっち泣いてるのに、なんも言ってくんないの?
「それに、あ〜ちゃんにはもうのっちの望みは叶えたくても叶えられん」
約束が違うじゃん……


〜続く〜





最終更新:2009年11月01日 03:18